経済的に苦しく、生活費の捻出も難しくなってきたときに利用できる制度が生活保護です。生活保護を受けると、暮らしていくうえで必要なお金のサポートを受けられます。   生活保護を利用するには条件がありますが、実は年齢は条件に含まれていません。生活に困っている方で条件に当てはまれば、だれでも利用可能です。   今回は生活保護制度の概要や、生活保護を受けるうえで重要な最低生活費の計算方法などについてご紹介します。

生活保護はどんな制度?

厚生労働省では、生活保護制度について、「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。」と記しています。
 
生活保護で受けられる支援内容は表1の通りです。
 
表1

費用 支援を受けられる内容
生活費 食費や水道光熱費、衣服費など
家賃 決められた金額内で支給
教育費 義務教育を受けるために必要な費用
学習に必要な文房具代なども含む
医療費 必要な費用を本人に代わって支払う形で支給
介護サービス費 必要な費用を本人に代わって支払う形で支給
出産に必要な費用 決められた金額内で支給
就職するためのスキルを習得するために必要な費用 決められた金額内で支給
葬祭に必要な費用 決められた金額内で支給

※厚生労働省 生活保護制度を基に筆者作成
 
なお、生活保護を利用する場合は、毎月の収入状況を報告する必要があるため、収入があった場合は忘れないようにメモしておきましょう。
 

生活保護を受けられる条件とは?

先述通り、生活保護を受けるために、年齢は関係ありません。ただし、一定条件を満たしている必要があります。ここでは、生活保護を受けるために必要な条件を紹介します。
 

収入が最低生活費を下回っている

生活保護の基準は、厚生労働省の定める最低生活費を基に求められます。最低生活費に対して、収入では足りない分が生活保護費として支給されます。なお、収入には年金や児童扶養手当なども含まれます。
 
また、生活保護は世帯単位で行われ、活用できる資産や能力はすべて活用することも条件のひとつです。厚生労働省によると、資産や能力の活用とは以下を指します。
 

・使用していない不動産や土地を売却し生活費とする
・働ける状況なら働く
・年金やそのほかの支援制度を受けられるなら利用する
・親族からサポートを受けられる場合は援助を受ける

 
これらすべてを加味したうえで、最低生活費と照らし合わせ、生活保護の受給が決定します。会社員の場合、収入が最低生活費を下回っていれば、生活保護を受け取れる可能性も高くなります。金銭的に困窮している場合、まず福祉事務所へ相談しに行きましょう。
 

最低生活費の計算方法

生活保護を受けるうえで重要な基準となる最低生活費ですが、住んでいる地域により金額が異なります。地域により「級地」が設定されており、等級が高いほど最低生活費の基準も高くなることが特徴です。級地を基にしたうえで、以下の6つの合計値により求められます。
 

1・年齢によって決められる「生活扶助基準(第1類)」の金額に、世帯の人数により決められる一人あたりの金額を下げる割合「逓減率」をかけた金額
2・世帯人数によって決められる「生活扶助基準(第2類)」の金額
3・「生活扶助基準(第1類+第2類)」に1人当たり月額1000円の特例加算と生活扶助本体における経過的加算を加えた金額
4・障がい者や母子世帯など特定の条件にある世帯への加算額
5・家賃がある場合は「住宅扶助基準」
6・そのほか「教育扶助基準」「介護扶助基準」「医療扶助基準」

 
※単身世帯の場合は逓減率が1なので、第1類の金額がそのまま加算されます。
 
例えば、1級地-1である東京都八王子市、家賃5万円の部屋に住んでいる30歳、単身世帯の場合、各基準額は表2の通りです。
  
表2

内容 金額
生活扶助基準第1類 4万6930円
生活扶助基準第2類 2万7790円
経過的加算額 700円
特例加算 1000円
障がい者や母子世帯などの加算額 なし
住宅扶助などの加算額 5万円
合計 12万6420円

※厚生労働省 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)を基に筆者作成
 
各基準額や加算額は、厚生労働省のホームページより確認できるので、気になる方はチェックしましょう。
 

生活保護を受ける条件に年齢は関係ない

生活保護を利用するのに、年齢制限はありません。ただし、不動産や親族のサポートなど、利用できる資産がある場合は活用してから認定を受ける必要があります。生活保護を受けるか悩んだときは、地元の福祉事務所や役所へ相談しに行きましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー