1997年に北海道拓殖銀行や山一証券、そして翌年の1998年に日本長期信用銀行や日本債券信用銀行といった金融機関が次々破綻していきました。こういった金融機関の破綻をきっかけに、金融機関が破綻した場合、預金者1人当たりにつき、元本1000万円と破綻日までの利息が保護されることになりました。   本記事では、そういった預金が保護されている銀行経由で購入した投資信託も保護されるのかについて、投資信託の仕組みと合わせて解説します。

投資信託の仕組みを知る

銀行経由で預けた投資信託が、万が一破綻した場合に、どうなるかを解説するにあたって、まず投資信託の仕組みを知っておく必要があります。図1を使って、投資信託の仕組みを確認してみましょう。
 

図1

 
投資信託(図1のファンド)は、運用会社で作られます。私たち投資家は、銀行や証券会社などの金融機関(図1の販売会社)を通じて投資信託を売買し、そのお金をまとめて信託銀行が管理します。
 
そして、運用会社は、そのお金を使ってどのように投資をするかを考え、その実行を信託銀行に指図します。その指図に従って、信託銀行は株や債券の売買を行います。
 
つまり、投資信託とは、販売を行う金融機関、運用を指図する運用会社、そして資産の管理を行う信託銀行といったそれぞれの専門機関が連携することによって成り立つ金融商品であるといえます。
 

銀行の役割とその銀行が破綻したときはどうなる?

(1)銀行の役割

投資信託における銀行の役割としては、投資家と投資信託をつなぐ窓口です。
 
具体的には、私たち投資家が銀行で、口座を開設し、投資信託の申し込みを行い、投資信託の分配金や償還金の受け取りなどを行います。また、解約の際も銀行を通して手続きを行います。
 

(2)銀行が破綻したとき

いままで見てきたように銀行は、投資信託を取引するうえでの窓口という役割であり、実際のお金の管理は信託銀行が信託財産として管理しています。
 
したがって、窓口である銀行が万が一破綻したとしても信託銀行が管理している信託財産には影響がありません。私たち投資家が保有していた投資信託は、別の窓口となる金融機関に移管され、移管された金融機関を通して取引を続けることができます。
 
つまり、銀行が破綻しても、銀行経由で買った投資信託は、制度的に守られていることになりますので、投資した金額の多寡にかかわらず保護されます。
 

(3)運用会社が破綻したとき

では、運用会社が破綻したときはどうなるのでしょうか?
 
運用会社は、信託銀行が管理している信託財産の運用を指示するだけで、信託財産の保管や管理は行っていません。したがって、運用会社が破綻した場合でも、信託財産には直接的に影響がなく、保護されます。
 

(4)信託銀行が破綻したとき

それでは、投資信託の信託財産を保管、管理している信託銀行が破綻したらどうなるのでしょう? 結論からいうと、信託財産には影響がなく、資産は保護されます。これは、信託銀行は、自身の財産と分けて管理することが法律で義務づけられているためです。
 

まとめ

以上、見てきましたように、銀行経由で購入した投資信託は、金額の多寡にかかわらず保護されます。
 
しかし、投資信託は元本保証のない金融商品であり、保護されていることと損失が発生する可能性があることは別の話となりますので、留意して運用するようにしましょう。
 

出典

預金保険機構 万が一金融機関が破綻した時
一般社団法人 投資信託協会 投資信託のしくみ
一般社団法人 投資信託協会 投資信託の安全性

 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー