所得条件を満たしていれば、学生が国民年金の支払いを猶予してもらえる制度が学生納付特例制度です。制度を利用している学生は多くいます。卒業したあとで、学生納付特例制度で納めなかった分を追納すれば、将来もらえる年金の増額や節税が可能です。   今回は、学生納付特例制度の概要や、追納によって得られるメリットなどについてご紹介します。

社会人になってからでも年金の追納はできる

学生の間に学生納付特例制度を利用して納めなかった年金は、10年以内ならば追納が可能です。追納の申請には、年金事務所で直接申し込むか、申請書を年金事務所へ郵送して申し込む方法があります。
 
申し込んで追納が承認されたあとは、納付書を利用して郵便局やコンビニなどで支払うか、ねんきんネットを活用すればオンラインで納付することも可能です。また申込書の作成も、ねんきんネットでできます。ただし、追納の申込書の提出自体は直接持ち込むか郵送なので、注意しましょう。
 

学生納付特例制度とは

学生納付特例制度は、20歳になって国民年金保険の支払い義務が生じた方のうち、学生で所得が一定以下の方は、納付を猶予してもらえる制度です。学生の間は、年金の支払いによる金銭的負担が軽減されるというメリットがあります。
 
日本年金機構によると、学生納付特例制度の利用条件は、以下の通りです。
 

・学生本人の所得基準が128万円(扶養している方がいる場合は、128万円+扶養人数×38万円)+社会保険料控除
・学ぶ期間が1年以上

 
制度を利用する条件に、両親の所得などは関係ありません。申請する本人の所得が基準となります。もし制度を利用していたものの、途中で大学を辞めるなどして学生でなくなった場合は、届け出が必要です。
 

制度を利用している学生はどれくらい?

厚生労働省年金局が令和2年に実施した調査によると、国民年金保険の加入者となった学生のうち63.9%は、学生納付特例制度を利用していました。このことから、学生のうちに国民年金保険料を支払っている方はあまり多くないといえるでしょう。
 
また、学生納付特例制度の存在を知っている学生の割合は、利用していない方も含めて83.3%です。制度を知っている学生の大半は、実際に制度を利用していることになります。
 

卒業後に追納したほうが得?

追納は、できるならばしたほうがお得になる可能性があります。
 
そもそも学生納付特例制度は、あくまでも年金の支払いを猶予しているだけですので、支払ったことにはなっていません。
 
国民年金保険料を納めることで受け取れる老齢基礎年金額ですので、制度を利用して支払っていない分だけ減った金額になります。追納をして学生時代に払えなかった分を納めると、老齢基礎年金額を支払った分だけ増やせます。
 
また年金を追納した年金保険料は、社会保険料控除の対象になりますので、住民税や所得税の節税にもつながります。追納すると、こうしたメリットがあるため、就職して余裕ができた方は、追納したほうがお得といえるでしょう。
 

社会人になったあとでも追納したほうが節税効果が期待できる

学生が年金保険料の支払いを猶予してもらえる学生納付特例制度を、学生時代に利用している方は少なくありません。
 
社会人となったあとで、制度を利用して学生時代に納めなかった分を追納すれば、老後の年金額を増やせたり、節税効果が見込めたりするメリットがあります。年金額をなるべく多くもらいたい方は、社会人になって金銭的な余裕ができたら、追納することも検討しましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
厚生労働省年金局 令和2年国民年金被保険者実態調査 結果の概要
 第3章 学生の状況 2.学生の保険料納付状況 (12ページ)
 第11章 免除・猶予制度の周知度 2.学生納付特例制度の周知度(48ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー