多くのドライバーにとって、事故による損害賠償は気になるところでしょう。特に高齢者の運転はリスクが伴うことが多く、もしものときの損害賠償については、家族も含めて知っておく必要があります。   そこで今回は、高齢ドライバーの免許返納制度と、自動車事故による賠償金の種類について詳しく解説します。交通事故による被害の低減とドライバーの意識向上に役立ててください。

高齢ドライバーによる免許の自主返納制度

高齢ドライバーの交通事故は増加傾向にあり、その対策として免許の自主返納制度が注目されています。この制度は、加齢に伴う身体機能や判断力の低下を感じた高齢者が自ら運転免許を返納するものです。
 
自分で感じることや家族からの助言などによって運転適性に問題があると判断すれば、自主的に免許の取消しを申請できます。免許を返納することで交通事故のリスクを減らし、自他ともに安全な生活環境を促進する効果が期待されているのです。
 
運転免許の自主返納ができるのは、現住所が特定地域内にあり、免許が有効期間内の方です。ただし、運転免許の取消基準に該当する方や免許停止中の方は自主返納ができません。
 
免許返納には、公共交通機関の割引などのインセンティブが設けられています。また、運転経歴証明書が交付され、これは身分証明書として利用できるほか、加盟店や美術館での特典が受けられます。これらの特典は、高齢者が社会生活を豊かに送るためのサポートとなるでしょう。
 

自動車事故の賠償金にはどんなものがある?

自動車事故が発生すると、加害者は多額の賠償責任を負います。損害賠償金にはさまざまな種類があり、主に慰謝料、治療費、休業損害などです。慰謝料は交通事故による精神的苦痛を金銭で補償するもので、具体的には入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類があります。
 
例えば、軽傷の場合の入通院慰謝料は、数十万円から百数十万円程度が一般的です。しかし、重大な後遺症が残る事故や死亡事故では、数千万円に上ることもあります。
 
損害の概念には2種類あり「積極損害」は事故により被害者が支出した費用を指します。これには治療費や入院費、通院交通費、装具や器具の購入費などが含まれます。一方で、「消極損害」は事故により収入が減少したことに対する損害です。
 
これには休業損害が含まれ、一般的に1日あたりの賃金と休業日数で計算されます。休業損害は、会社員だけでなく主婦(主夫)や無職の人でも、具体的な就労予定がある場合には認められることがあります。
 
事故にあわなければ、本来得られたはずの利益のことを「逸失利益」と呼びます。後遺症の逸失利益の計算方法は、基礎収入、労働能力喪失率、労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数を用いて算出されます。また、死亡事故の場合、被害者が生きていれば得られたであろう収入は、死亡による逸失利益として請求が可能です。
 

高齢になったら早めの自主返納を

高齢ドライバーは、反応速度の低下や判断力の鈍化などから事故を起こしやすい傾向にあります。免許の自主返納制度は、自身や他人の安全を守るための有効な手段です。
 
また、事故による賠償責任は計り知れないほど重大であり、家族の経済状況にも大きな影響を及ぼします。事故防止と賠償リスクの低減のためにも、本人だけではなく、家族の協力を得ながら早めの免許返納を検討しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー