みなさんの中には、年金だけでは暮らしていけず、「生活保護」を受けている方もいるかもしれません。そういった人は、老人ホームを利用することはできるのでしょうか。   結論から言うと、生活保護受給者であっても入居可能な老人ホームもありますが、施設によっては受け入れていない場合もあるので、注意が必要です。入居できる施設の条件や注意点をあらかじめ把握しておかないと、いざ入居できる老人ホームを探そうとした際に、希望の条件の施設が見つからずに苦労するかもしれません。   今回は、生活保護を受給しながら利用できる可能性のある老人ホームや、利用できる制度などについてご紹介します。

生活保護受給者でも利用できる可能性がある施設

老人ホームと一口に言ってもさまざまな種類の施設があります。まずは、利用したい方が必要とする施設を調べましょう。
 
生活保護受給中の方が利用できる可能性のある施設としては、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)や有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などが挙げられます。施設ごとに、費用面以外でも条件やサービス内容が異なるため、事前調べが重要です。
 
各施設を利用する際のメリット、注意点を表1にまとめました。
 
表1

施設名 メリット 注意点
特別養護老人ホーム ・公的施設のため、もともとのかかる費用が安くおさえられる ・原則要介護3以上の方でないと利用できない
・人気があるため待機期間が年単位になることもある
有料老人ホーム ・種類が幅広く、自分に合った施設を見つけやすい
・生活保護が追加で1万5220円算定される可能性がある(要介護の場合)
・施設によっては高額のため注意が必要
・施設によっては要介護度が高いと利用できないケースも
サービス付き高齢者向け住宅 ・生活の自由度が高い ・賃貸契約となり、敷金が必要
・介護が必要な場合は外部サービスに頼む必要がある

※筆者作成
 
なお、ご紹介した施設なら生活保護を利用していても必ず入れるわけではありません。施設によっては、生活保護を受けている方は利用できなかったり、人数制限をしていたりします。気になる施設があった場合は、一度問い合わせて確認しておきましょう。
 
また、老人ホームを利用したいときは、まず生活保護のケースワーカーなどに相談することも大切です。予算にあった施設探しを手伝ってもらえる可能性があります。
 

生活保護受給者が施設を利用する際に使える制度

生活保護受給者として施設を利用する際、制度を利用すれば費用負担がさらに軽減できるケースもあります。必要に応じて、制度を活用してください。
 

特定入所者介護サービス費

特別養護老人ホームなど公的施設を利用する場合は「特定入所介護サービス費」が利用可能です。
 
厚生労働省によると「介護保険施設入所者等の人で、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。」としています。
 
生活保護受給者は第1段階に区分されており、食費の限度額は1日300円、施設居住費は多床室を利用していれば0円です。
 

高額介護サービス費

老人ホームの利用に際して介護サービスを利用したときは「高額介護サービス費」を利用できる可能性もあります。
 
高額介護サービス費は、所得に応じて設定された段階の上限額を超えた分に対して、介護保険から支給される制度です。生活保護受給者の場合、第1段階で負担の上限額を1万5000円に設定されており、上限額を超えた分は介護保険から支援を受けられます。
 
ただし、ここで紹介した特定入所介護サービス費と高額介護サービス費は、ともに自治体への申請が必要です。
 

生活保護を受けながら老人ホームを申し込む際は確認が必須

生活保護を受けながら老人ホームを利用することは可能です。ただし、施設によっては受け入れられなかったり、人数制限がかけられていたりするため、事前調べが欠かせません。
 
また、老人ホームを利用したいときは、ケースワーカーにも相談しておきましょう。必要に応じて利用できる制度の説明や、施設探しのサポートをしてもらえます。
 

出典

厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索
厚生労働省 2023(令和5)年4月1日施行 生活保護実施要領等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー