新社会人になる人は喜びや不安など、さまざまな感情を抱えながら、そのときを迎えることになるでしょう。初任給を一つの楽しみとしている人も少なくありません。事前に自分の受け取れる初任給が把握できている場合は、それで何を購入しようか考えたくなるものです。一方で、生活費もかかります。   本記事では、初任給20万円ほどは高いのか低いのかということと生活費の内訳を確認して、初任給でまかなえるのかについてみてみましょう。

新入社員の初任給の水準は?

一般財団法人労務行政研究所の「2023年度 新入社員の初任給調査」から、東証プライム上場企業157 社の新入社員の初任給をみてみましょう。同調査結果によると、2023年4月に入社した人の初任給の平均は、大卒者で約22万6000円、短大卒者で約19万5000円、高卒者で約18万3000円でした。
 
製造業では、大卒者の初任給の平均は約22万7000円であり、短大卒者は約19万2000円、高卒者は約18万1000円となっています。一方の非製造業では、大卒者の初任給の平均は約22万4000円、短大卒者は約20万円、高卒者は約19万円でした。初任給においては、学歴による差はあるものの、製造業と非製造業ではそこまで大きな差がないことも分かります。
 
初任給が20万円ほどの大卒の新社会人は、東証プライム上場企業へと入社した大卒の初任給と比較すると、やや低めの水準となるでしょう。ただ、給与額は企業規模や業種によっても変わります。東証プライム上場企業は大企業が多く含まれているため、初任給20万円は、日本人全体の初任給として考えた場合には、悪いスタートとはいえないでしょう。
 

一般的な生活費の内訳

実家から離れて生活している新社会人であれば、初任給のほとんどは生活費に消えることになるでしょう。総務省統計局の「2022年 家計調査」の結果によると、単身世帯の月あたりの平均消費支出額は約16万2000円でした。内訳をみると、食料費が約4万3000円、住居費が約2万3000円、光熱・水道費が約1万3000円、交通・通信費が約1万9000円、教養娯楽費が約1万9000円などとなっています。そのほか、家具・家事用品費が約5600円、被服および履物費が約5300円、保健医療費が約7400円という結果でした。
 
ただし、賃貸物件を借りている人の場合には、住居費が2万円台で済むケースは多くないでしょう。仮に8万円ほどの物件を借りたとすると、毎月の支出額は22万円ほどとなる計算です。この場合、1人暮らしの人の一般的な支出額が、初任給を超えてしまう可能性があるため、注意する必要があります。
 

収入に見合った生活費となるよう計画を立てよう

初任給が20万円といっても、そこから所得税と雇用保険料が引かれたうえで、残りが振り込まれる形となるでしょう。しかし、初任給の場合には、給与額と手取りにそこまで大きな差は生じません。問題は翌月から、さらには来年からの手取りです。入社後2ヶ月目からは所得税と雇用保険料にくわえ、厚生年金保険料や健康保険料も引かれます。翌年からは住民税も引かれるため、手取りはさらに少なくなる可能性が否めません。おおよそ、給与の8割程度が手取りとなるとみておきましょう。
 
新入社員は、将来の手取り額に見合った支出となるよう生活と向き合う必要があります。自分の生活費の内訳を把握し、節約できるところは、1ヶ月目から支出を抑えるなどの工夫も不可欠です。そのうえで、無理のない生活となるよう計画を立てていくことを心掛けましょう。
 

手取り額に注意して家計を調整しよう

初任給20万円という額は、大卒であればそこまで高い水準ではないものの、スタートとしては決して悪くありません。ただ、生活費には要注意です。一般的な1人暮らしの人の平均消費支出額は、約16万円です。賃貸物件に住む人は20万円を超えてくる可能性があり、初任給の20万円では足りません。翌月や翌年からはさらに手取りが減る可能性があるので、節約を心掛けるなど意識的に家計を調整していきましょう。
 

出典

一般財団法人労務行政研究所 2023年度 新入社員の初任給調査
総務省統計局 家計調査 2022年(令和4年) 平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー