「固定残業制度」とは、「みなし残業制度」とも呼ばれています。この制度は、従業員の給料のなかにあらかじめ一定時間分の残業代を含めて支給するというものです。   では、その一定時間を超えた場合はどうなるのでしょうか。「固定残業30時間」の会社に就職した人を例に挙げて、30時間を超えた分の残業代が支払われない場合は「違法」となるのかどうかを解説します。

固定残業制度とは?

労働基準法によって、法定労働時間は「1日8時間以内、1週間40時間以内」と定められています。法定労働時間を超えて労働者に働いてもらうためには、会社と労働組合(または労働者の過半数を代表する人)の間で「時間外労働協定(36協定)」を結ばなくてはなりません。
 
さらに、「1日8時間、1週間40時間」を超える時間外労働には残業代が出ます。時間外労働は通常の賃金よりも割り増しになります。
 
ただし、会社が固定残業制度を導入している場合、毎月決まった残業代が支払われることになります。このとき誤解しやすいのが、「あらかじめ決めた時間分は必ず残業しなくてはいけない」と考えてしまうことです。じつは、会社が固定残業制度を導入していたとしても、その時間分の残業をする必要はありません。
 
例えば、会社が固定残業時間を「月30時間」と定めているとします。この場合、「残業をまったくせずに帰宅した人」も「月10時間の残業をした人」も「月30時間の残業した人」も、同じ固定残業代が支払われるということです。
 
固定残業制度を導入する場合の会社のメリットは、労働者ごとの残業代を計算する手間が省けることです。また、人件費も大幅に変動することがないため、予算も立てやすくなります。労働者のメリットは、残業をするしないにかかわらず、固定残業代が支払われることです。毎月の給与も大幅に変動することがないため、家計の管理もしやすくなるでしょう。
 
ただし、固定残業時間を超えた場合には、会社はその時間分の残業代を支払う必要があります。例のように会社が「固定残業30時間」と決めている場合、31時間残業をした労働者には1時間分追加の残業代を支払わなくてはなりません。追加の残業代を支払わないのは違法です。
 
固定残業時間を超えた時間分の残業代が支払われない場合、まずは会社に支払ってもらうように交渉しましょう。それでも支払ってもらえない場合は、労働監督署や弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
 

あらかじめ決めた時間を超えた分の残業代が支払われないのは違法!

会社が「固定残業30時間」と決めている場合、残業の有無にかかわらず、毎月決まった残業代が出ます。一方、30時間を超えた労働時間は、会社は追加の残業代を支払わなくてはなりません。追加の残業代を支払わないのは違法であるため、会社に支払うように交渉しましょう。それでも支払ってもらえない場合は、労働監督署や弁護士に相談することをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 労働時間・休日
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー