パートで働いている方の手取り額に影響する金額が、年収103万円と106万円です。年収103万円を超えると所得税が課され、年収106万円を超えると、扶養を抜けて社会保険に加入することになり、保険料が発生します。   収入から引かれる金額が増えるため、損をすると考える方もいますが、106万円以上を働いて社会保険に加入すると、将来受け取れる年金の金額が増えたり、利用できる手当が増えたりするなど、メリットも少なくありません。   今回は、103万円と106万円の壁についてと、扶養を外れるとどうなるのかについてご紹介します。

103万円の壁と106万円の壁

扶養内で働いていた方が気になることとして「103万円の壁」と「106万円の壁」があります。103万円の壁は、所得税が課される年収を指しており、106万円の壁は、扶養から外れることになる年収を指します。
 

所得税が課される103万円の壁

103万円の壁を超えると、扶養からは外れませんが、給与から引かれるお金に所得税が加わるため、天引きされる金額が多くなります。
 
なお103万円という金額は、税金の計算をする際に、総所得金額から差し引く基礎控除48万円と、給与収入から差し引いて考える給与所得控除55万円を合計した金額です。103万円以内であれば、控除額の合計内に収まるため、所得税はかかりません。
 

扶養を外れる106万円の壁

106万円の壁を超えると、多くの方は社会保険に加入することとなるため、扶養から外れます。2022年9月までは、従業員数501人以上の会社に勤めている方が条件を満たしていれば、社会保険が適用されました。
 
しかし、2022年10月からは従業員数101人以上の会社が、さらに2024年10月からは従業員数51人以上の会社が対象となるため、パートやアルバイトで働いている方の多くは、社会保険が適用されることになります。
 
該当する会社で働いている方で、社会保険が適用される条件は、以下の通りです。

●所定労働時間が1週間で20時間以上30時間未満
●基本給と手当を合わせた所定内賃金が月に8万8000円以上
●2ヶ月を超えての雇用見込み
●学生以外(休学中や夜間学生を除く)

所定内賃金が月に8万8000円以上ということは、年収に換算すると105万6000円以上ということです。106万円の壁といわれるのは、この金額に基づいています。
 

扶養を外れるとどうなる?

106万円の壁を超えて扶養を外れると、収入から、所得税に加えて社会保険料も引かれます。そのため手取り額は、扶養から外れる前よりも少なくなるのです。
 
しかし、新たに社会保険に加入するということは、厚生年金にも加入することになるため、将来受け取れる年金額が多くなるというメリットがあります。厚生労働省が公開している年金額目安によると、所定労働賃金を8万8000円として、20年間働いた場合に、年間で受け取れる年金額が10万6800円増加します。
 
また社会保険に加入すると、傷病手当や出産手当も利用可能になります。一見すると、手取りが減って損をするように見えますが、手当や将来の年金額を考えた場合は、扶養を外れたほうが得なケースも少なくありません。
 

年収103万円は扶養範囲内だが、年収106万円を超えると扶養を外れて社会保険が適用される

年収103万円を超えると所得税が課され、106万円を超えると多くの方が扶養を外れて社会保険に加入するため、収入から引かれる額は大きくなります。しかし、社会保険に加入すると、将来受け取れる年金額が増えたり、利用できる手当が増えたりするなど、メリットも少なくありません。
 
扶養から外れて働くかどうかは、将来的にこうした手当を利用したいとか、年金をなるべく多くもらいたいなど、ライフプランも考えたうえで決めましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)
 No.1199 基礎控除
 No.1410 給与所得控除
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー