生活保護は、事情により経済的に困窮している人が、最低限度の生活を送れるようにすることを目的とした制度です。   受給するためには、さまざまな要件を満たしている必要があるため、事前に、どのような要件があるのかを確認しておかなければなりません。   本記事では、生活保護の受給要件とともに、働いていて収入がある場合や、家族がいる場合でも受給対象になるのかについて、ご紹介します。

生活保護の受給要件とは?

厚生労働省によると、生活保護は、資産や能力、そのほかのあらゆるものを活用したうえで、収入が最低生活費に満たないことが受給要件となります。「あらゆるものの活用」とは、具体的には、次のようなものが該当します。


・利用しうる資産を活用する
・働ける場合は能力に応じて働く
・年金や手当など、ほかの制度で受けられる給付があれば受ける
・親族などに頼れる場合は援助してもらう

「利用しうる資産」については、不動産や自動車なども該当しますが、居住用の持ち家や、通勤用の自動車を使用して求職活動をしている場合などは、保有が認められることもあります。
 
また、親族などの扶養義務者による援助は、生活保護よりも優先して受ける必要があるとされていますが、同居していない親族に相談してからでないと申請できないというわけではありません。
 

収入が月15万円あっても生活保護は受けられるのか?

生活保護を受給できるのは、収入が最低生活費に満たない場合です。「収入」とは、給与や賞与などの勤労収入だけではなく、農業収入や自営業収入、年金や保険給付金、仕送りや贈与などの臨時的収入も含まれます。
 
一方の「最低生活費」は、国が定める基準で計算されたもので、住んでいる地域や世帯人数、年齢などによって変わってきます。最低生活費から収入を差し引いた額が生活保護費として支給されるため、収入が最低生活費を上回っている場合は受給できません。
 
例えば、最低生活費が月13万円で、月15万円の収入がある場合は生活保護を受けられず、最低生活費が20万円の場合は、差額である5万円が保護費として支給されます。
 

家族がいても頼りたくないときはどうなる?

生活保護申請者に親族などの扶養義務者がいる場合は、援助が可能かどうかを確認する「扶養照会」が行われることがあります。
 
ただし、この「扶養照会」は、申請者に事情を聞いたうえで行われるため「家族はいるが、頼りたくないので扶養照会はしないでほしい」という理由があるときは、実施されないこともあります。
 
例えば、扶養義務者が長期間入院していたり、10年以上音信不通の状態であったりする場合などは「扶養義務履行が期待できない」と判断される可能性が高いでしょう。まずは、どのような事情により扶養照会をしてほしくないのかを、福祉事務所に相談してみることをおすすめします。
 

家族に頼れない理由によっては生活保護を受けられる可能性もある

生活保護は、収入があっても、最低生活費を下回っていれば受給対象となる可能性があるため、まずは最低生活費がいくらなのかを計算してみるとよいでしょう。
 
また親族がいる場合は、援助が可能かどうかの扶養照会が行われることがありますが「扶養義務履行が期待できない」と判断できる理由があれば、照会が見送られる場合もあります。まずは、福祉事務所に状況を相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省
生活保護制度
生活保護を申請したい方へ
事務連絡 扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について
 2 扶養に関する調査の手順(2ページ)
 3 扶養義務履行が期待できない者の判断基準(3ページ)

東京都福祉局 生活保護制度とはどのような制度ですか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー