誤発注により会社に損害を与えてしまい会社から損害賠償を請求された場合、ミスをした労働者本人が全額負担するべきなのか気になる方もいるでしょう。   今回は日本労働組合総連合会に寄せられた労働相談を参考に、誤発注で損害賠償を支払うべきかについて解説します。

労働者は誤発注による損害賠償を支払うべき?

商品の誤発注など、日常業務のなかで起こりうるミスによって生じた損害であれば労働者は弁償しなくていいとされています。
 
会社は、従業員の労働によって収益をあげています。損害が生じたときに業務上のすべての責任を労働者に負担させることは不公平であると考えられるため、損害が生じたときの賠償請求などは制限されるケースが多いようです。
 

労働者に損害賠償責任が発生するケースとは?

労働者が故意にミスをするなどして会社に損害を与えた場合は、労働者にも損害賠償責任が発生する可能性もあるといわれています。
 
例えば以下のケースでは、労働者に損害賠償責任がともなう可能性があるでしょう。

●業務上の指示に反して会社に損害を与えた
●指示に反する操作により機械を損傷させた
●不適切な言動により会社がクレームを受けた
●会社の秘匿情報や顧客情報を第三者に公開し会社がクレームを受けた
●社用車の運転中に事故を起こし第三者に損害を与えたことで会社が賠償金を支払った

このように労働者に明らかな過失がある場合は、損害賠償責任が発生する可能性が高いようです。
 
ただし今回のような誤発注は、起こりうるミスと判断がされ、労働者には損害賠償責任が発生しない可能性は高いと考えられます。
 

損害賠償に関して会社とトラブルになった場合は?

会社に損害賠償を請求されたからといって、すぐ支払いに応じるのは危険といえます。
 
本来は労働者に損害賠償を支払う責任がなかったり、支払うべき金額よりも高額な損害賠償を請求されたりするおそれがあるためです。
 
労働者に損害賠償責任があるのか、賠償すべき金額は責任の程度や違法性の有無などを考慮のうえ判断されることが一般的とされています。
 
厚生労働省では、都道府県労働局総合労働相談コーナーにて労働問題に関する情報提供・個別相談のワンストップサービスを行っており、関連する法令・裁判例などの情報提供、助言・指導制度およびあっせん制度についての説明をしているようです。
 
対象となる範囲としては、解雇などの労働条件に関することや、いじめなどの職場環境について、損害賠償についてなどさまざまです。
 

誤発注により生じた損害を労働者が全額賠償する可能性は低い

発注ミスが日常業務のなかで起こりうるミスであると判断される場合、損害が生じたとしても、労働者が全額を賠償する必要はないと考えられます。
 
ただし、従業員側が故意で損害を発生させた場合や落ち度が大きい場合などは、会社からの損害賠償請求が認められるケースもあります。
 
会社から損害賠償を請求されたことに納得がいかない場合、会社の担当部署や専門家などに相談しましょう。
 

出典

厚生労働省 個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー