生活保護者が葬儀を行う金銭的余裕がない場合、自治体からの援助を受けることが可能です。しかし「香典をもらってよいのか」という疑問や「香典は収入とみなされないのか」という不安を抱く方も多いでしょう。   今回は、生活保護者が自治体からの援助を受けて葬儀を行う場合の、香典の受け取りに関する注意点について解説します。

自治体からの援助で葬儀をした場合も香典の受け取りは可能

基本的に、生活保護者は自分の収入のみで葬儀を行うことは難しいです。そのため、生活保護制度によって、自治体からの援助を受けて葬儀を行う必要があります。ただし、生活保護制度のもとで自治体からの援助を受けて葬儀を行う際は「収入」に気をつけなくてはいけません。
 
生活保護の要件には、収入の規定があります。親族から金銭的な援助を受けた場合も収入とみなされるため、葬儀に際して親族からの援助を受ける場合は、収入が生活保護の要件による規定を超えないよう注意が必要です。
 
しかし、葬儀で受け取る香典は収入とみなされません。そのため、自治体からの援助を受けて葬儀を行う場合でも、香典の受け取りは可能です。
 

香典を受け取る場合の注意点

生活保護制度によって受けられる自治体からの援助は、葬祭扶助といいます。生活保護者は、葬儀を行う際の最低限の出費にのみ、葬祭扶助を受けられます。最低限の出費とは、一般的に直葬と呼ばれる、火葬のみ行う葬儀を行うための費用のみの支給です。
 
香典を受け取る場合も、香典返しに必要な費用は葬祭扶助の支給対象にはならず、自分で支払う必要があります。そのため、あらかじめ香典を辞退することや、香典返しの費用がもらった香典の金額の範囲内におさまるようにするなどの工夫が必要です。
 

葬祭扶助の支給額は?

葬祭扶助の支給額は、住んでいる地域や世帯の状況によって異なるため注意しましょう。また、厚生労働省が定める級地区分によって地域が分けられており、級地区分ごとの基準額も異なります。
 
厚生労働省の「2023(令和5)年4月1日施行生活保護実施要領等」によると、級地区分ごとの葬祭扶助の基準額は表1の通りです。
 
表1

大人 小人(12歳未満)
1級地および2級地 21万2000円以内 16万9600円以内
3級地 18万5500円以内 14万8400円以内

※厚生労働省「2023(令和5)年4月1日施行生活保護実施要領等」を基に筆者作成
 
実際に葬祭扶助の受給を検討する際は、厚生労働省が定めている基準額や、自治体ごとの支給額を確認するとよいでしょう。
 

葬儀の際は自治体からの援助をうまく活用しよう

生活保護者は、自治体から葬祭扶助を受けている場合でも、香典を受け取れます。しかし、香典返しに対しては葬祭扶助の対象とならないため、注意しましょう。
 
また、葬祭扶助の金額は、自治体ごとに異なります。ご自身が住んでいる地域の支給額を確認しつつ、利用を検討するとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 2023(令和5)年4月1日施行生活保護実施要領等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー