老後の重要な資金源となる公的年金は、多いほどいいと考える方は少なくありません。年収が高く、厚生年金の加入期間が長ければ、それだけ受け取れる年金額も増加します。   特に、年金の最高額を受け取りたいのなら、加入期間すべて、欠かすことなく年金保険料を納めることが必要です。また、年収は1212万円を超えていないと、理論上は最高額を受け取れないようです。   今回は、年金の受給額を計算する方法や年金の最高額、最高額に近い年金額を受け取っている方の割合などをご紹介します。

受け取れる年金額の求め方

会社勤めをしていた方の公的年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金から構成されています。日本年金機構によると、老齢基礎年金の受給額は、国民年金の納付月数や厚生年金の加入期間などに応じて計算されるようです。その際、免除された月数がある場合はその期間も加算可能です。
 
一方、老齢厚生年金は報酬比例部分を求めることで金額を算出できます。平成15年4月1日以降に加入していた場合における報酬比例部分の計算式は、以下の通りです。
 
・平均標準報酬額×0.005481×加入期間の月数
 
平均標準報酬額とは、給料を等級に分けた標準報酬月額と、税金が引かれていない状態の賞与額のうち1000円を切り捨てた標準賞与額の総額を加入期間で割った数値です。標準報酬額は最高で等級が32の65万円、標準賞与額は年に3回で上限が1回につき150万円と決まっています。
 
つまり、厚生年金を上限の70歳まで加入し、標準報酬額と標準賞与額も最大値になると、理論上では年金を最高額受給可能です。
 

理論上の公的年金の最高受給額はいくら?

今回は、条件を以下のように仮定して求めます。
 

・令和4年の老齢基礎年金額
・国民年金を完納
・平成15年4月1日以降に厚生年金へ加入
・厚生年金に16〜70歳の54年間加入し給料も変わらない

 
国民年金を欠かさず納めていれば、令和4年時点で月額6万4816円、年額77万7792円の老齢基礎年金を受給できます。
 
老齢厚生年金を求めるために用いる標準報酬額は、最大等級が32で給料が63万5000円以上だと該当します。さらに、賞与も上限額まで受け取っていると考えると、年金を最高額受給できる方は、年収が常に1212万円以上の方です。
 
条件の通りだと、平均標準報酬額が102万5000円、報酬比例部分は約364万480円が受け取れる年金の最高額になります。老齢基礎年金と合計すると、年金の最高額は441万8272円、月額は36万8189円です。
 
ただし、今回はあくまで理論上の数値で計算しています。実際に働きながら受け取る年金は在職老齢年金と呼び、65〜70歳の間は収入に応じて年金の受給金額が変動するため、注意が必要です。
 
老齢厚生年金と給与の合計が1ヶ月あたり50万円を超える場合は、特別支給の老齢厚生年金または老齢厚生年金の一部もしくは全部が支給停止となるようです。
 

どれくらいの人が受け取っている?

厚生労働省年金局が令和4年に行った調査によると、年金額が月に30万円以上の方は全体の受給者1599万6701人のうち1万2490人でした。割合にすると約0.078%となり、0.1%に満たない受給者数です。
 
対して、年金額で最も多い人数は、月に10万円以上〜11万円未満の112万7493人でした。割合にして約7.048%です。月に30万円以上の人数と、10万円以上〜11万円未満の人数では約90.36倍の差があります。
 

理論上では公的年金の最高額は441万8272円!

理論上は、働いている期間すべてで年収1212万円を超えていれば年金の最高額を受け取れます。もし、年収1212万円で中学校を卒業した16歳から70歳まで働いていれば、年金441万8272円、月額にして36万8189円を受給可能です。
 
しかし、実際に年金を月額30万円以上受給している方は0.078%なので、最高額相当の金額を受け取っている方は少ないといえるでしょう。
 

出典

日本年金機構
 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
 報酬比例部分
 厚生年金保険の保険料 2.標準報酬月額 3.標準賞与額
 令和5年4月分からの年金額等について
厚生労働省年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 (参考資料3)厚生年金保険(第1号) 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数(26ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー