生活保護は、経済的に困難な状況にある方が自立した生活を送れるように支援するための制度です。もし生活保護費を他者へと渡すと、直接生活には関係がないため生活保護の目的とは異なります。   状況によっては厳重注意や減額の対象となる可能性があるため、止めたほうがいいでしょう。今回は、生活保護の目的や生活保護費を他者へ渡す行為で受けるデメリットなどについてご紹介します。

生活保護は自立を助けるための制度

生活保護は、あくまで生活保護を受けている本人が自立できるように支援するための制度です。生活保護法では、生活保護を利用している方が守られる権利、そして守るべき義務が明記されています。生活保護受給者が守るべき義務の例は以下の通りです。


・生活保護法第59条:保護又は就労自立給付金若しくは進学準備給付金の支給を受ける権利は譲り渡すことができない。

・生活保護法第60条:被保護者は、常に、能力に応じて勤務に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない。

・生活保護法第61条:被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があつたときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。

他人へお金を渡す行為は、自分の日常生活とは直接関係がありません。つまり、支出の節約に努めているとはあまりいえない状態でしょう。また、他人へお金を渡していることを報告していなければ、収支を届け出る義務にも反しているとみなされる可能性もあります。
 
さらに、生活保護費を渡すことで、生活保護の権利を他者へ譲り渡しているとされるリスクもゼロではありません。そのため、もし知人で生活保護を受給しているにもかかわらず、お金を他者へ渡している方がいる場合は、できるだけ止めるよう伝えたほうがいいでしょう。
 

状況によっては生活保護費が減額される可能性もある

生活保護受給中は、毎月収支をケースワーカーへ報告する必要があります。また、収入や生計の状況に変動があった際などは通帳の写しや給与明細などを用いて、具体的な収支の内容も報告が必要です。
 
他人へお金を渡すなどの生活と関係のない行為は、報告時に厳重注意を受ける可能性があります。また、生活に関係のない費用として、生活保護費が減額される可能性もゼロではありません。
 
減額をおそれて報告をしなかったり、他人へ渡すお金を稼ぐためにこっそり収入を得ていたりすると不正受給とみなされるケースもあります。不正受給と判断されると、今まで受け取っていた生活保護費を返還したり追加徴収がされたりする可能性があります。
 
こうした事態を防ぐためにも、生活保護費を生活と関係のない他者へと渡す行為は止めておいたほうがいいといえるでしょう。
 

生活保護費を生活保護と関係のない他者のために使う行為は止めたほうがいい

生活保護費は、あくまで生活保護を受けている方が自立した生活をするために支給されるお金です。関係のない他人へお金を渡す行為は、日常生活とは直接関係がありません。
 
生活保護の目的に沿っていないため、ケースワーカーから厳重注意を受けたり減額されたりする可能性があります。もし知人で生活保護費も使って他者へお金を渡している方がいる場合は、できるなら止めるように伝えておきましょう。
 

出典

デジタル庁 e−Gov法令検索 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第五十九条、第六十条、第六十一条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー