生活に困窮している方が保護を受けられる「生活保護制度」には「所有している財産がある場合は手放さなければならない」という条件が定められています。   生活保護の受給を申請したくても「どうしても手放したくない財産がある」という理由で躊躇している方もいらっしゃるでしょう。   本記事では、生活保護の受給条件について詳しく解説するとともに、資産を手放さなくても保護を受けられるケースについてご紹介します。

生活保護の受給条件

生活保護は、収入や資産・能力・そのほかあらゆるものを活用しても、最低限度の生活費を確保できない場合に受給できる可能性がある制度です。
 
そのため、活用できる資産などがないことが生活保護の受給条件になります。
 
生活保護は世帯単位で行うので、世帯員全員がこの条件に当てはまっていなければなりません。
 
「資産・能力・そのほかあらゆるものの活用」とは以下を指します。
 

・資産の活用

預貯金があれば生活費に充て、生活に利用されていない土地・家屋があれば売却すること
 

・能力の活用

働くことが可能な場合はその能力に応じて働くこと
 

・その他あらゆるものの活用

年金や手当などほかの制度で給付を受けることができる場合にそれらを活用すること
 
また、親族などから援助を受けられる場合は、優先して援助を受けることが求められる可能性があるでしょう。
 

「資産の活用」に該当するものとは?

生活保護の受給要件にある「資産の活用」には、次のようなものが含まれます。

●現金
●預貯金
●有価証券
●不動産
●自動車
●バイク
●生命保険など

生活保護受給後に上記のような資産を活用できたときは、受給した保護費を返還するよう求められるかもしれません。
 

バイクの保有が認められるケースとは?

令和3年6月改訂版の「生活保護運用事例集」では、総排気量125cc以下のバイク、および原動機付自転車については、以下の要件を満たす場合、保有を認めるとされています。

●当該バイクが現実に最低生活維持のために活用されており、処分するよりも保有している方が生活維持及び自立助長に実効があがっていると認められること。
●保有を認めても当該地域の一般世帯との均衡を失することにならないと認められること。
●自動車損害賠償責任保険及び任意保険に加入していること。
●保険料を含む維持費についての捻出が可能であると判断されること。

また、総排気量125cc以上のバイクでも「特別な場合」と認められることで処分しなくてよいケースもあります。
 
例えば、障害を持っている方が通勤や通院に使用している場合などは、保有したまま生活保護を受けられる可能性があるようです。
 

バイクを保有したままでも生活保護を受けられる可能性はある

生活保護を受けるうえで「資産の活用」が条件の一つとなるため、バイクを所有している場合は原則として売却して生活費に充てる必要があります。
 
ただし、バイクの総排気量や「特別な場合」と認められる事情があれば保有が認められる可能性もあるようです。
 
今回の事例のように、思い入れのある大切なバイクを手放さずに生活保護を受けたいと考えている方は、福祉事務所に相談してみるとよいでしょう。
 

出典

東京都福祉保健局 生活保護運用事例集 2017(令和3年6月改訂版)第3資産の活用 (問3-3) バイクの保有(60ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー