育児休業や介護休業など、何かしらの理由で会社を長期休業する場合もあるでしょう。   ただ今回の事例のように、休職から戻ってきた際、以前は正社員で働いていたにもかかわらず「今日から契約社員だから。就業規則にもある」と勝手に雇用形態を変更されるケースもあるかもしれません。   そこでこの記事では、就業規則に記載があれば、雇用形態の変更は会社の一存なのかについて解説します。

雇用形態の変更は会社の一存なのか?

正社員から契約社員など、雇用形態の変更については会社から一方的に行うことはできないと考えられます。なぜなら、労働契約法では下記の通り、雇用形態の変更には労働者との合意が必要と定められているためです。


「(労働契約の内容の変更)
第八条 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」

また、仮に休職中の1年の間に就業規則が変わっていた場合でも、雇用形態の変更を拒否できる可能性があると考えられます。その根拠は、労働契約法第9条です。


「(就業規則による労働契約の内容の変更)
第九条 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。」

ただし、就業規則の変更内容が合理的であり、その変更について周知されているなどの所定の条件を満たす場合はこの限りではないため注意しましょう。
 

会社が話を聞いてくれない場合の対策は?

ただ、会社に対して労働契約法の話をしても「決定事項だから」と取り合ってもらえない場合もあるかもしれません。
 
そのような場合は、厚生労働省が労働条件などに関する相談窓口を用意しているため、一度相談してみてもよいでしょう。各種相談窓口の情報は表1の通りです。
 
表1

名称 相談できる内容 相談時間
労働基準監督署 ・労働時間、賃金、解雇等の労働条件に
関すること
・職場の安全や衛生に関すること
・労災保険に関すること
月〜金(祝祭日、年末年始除く)
8:30〜17:15
総合労働相談コーナー あらゆる労働問題に関すること 各地域の総合労働相談コーナーの開庁時間
外国人労働者相談コーナー 労働条件などについて、
外国語で相談を受付
各地域の労働局により変わる
雇用環境・均等部(室) ・性別を理由とする差別
・妊娠、出産・育児休業等を理由とする
不利益取扱
・セクシュアルハラスメント
・妊娠・出産・育児休業・介護休業等に
関するハラスメント
・パワーハラスメント
・育児・介護休業
・パートタイム・有期雇用労働
月〜金(祝祭日、年末年始除く)
8:30〜17:15

※厚生労働省「相談窓口等一覧」を基に筆者作成
 

雇用形態の変更には会社と労働者の合意が必要

正社員から契約社員など、雇用形態の変更については、会社と労働者の合意が必要と考えられます。そのため、今回の事例のように休職中に一方的に雇用形態を変更された場合は、拒否できる可能性があります。
 
もし話を聞いてもらえない場合には、厚生労働省が用意する各種相談窓口に相談してみてもよいでしょう。状況を説明し、会社に問題がある場合は、解決策を提示してくれるかもしれません。
 

出典

e−Govポータル 労働契約法(平成十九年法律第百二十八号) 第二章 労働契約の成立及び変更 第八条、第九条
厚生労働省 相談窓口等一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー