いざという時のためにとか、教育資金のためとか、お金を貯める必要を感じながら、日々の生活や楽しみに使ってしまって悩んでいませんか。お金を上手に貯める秘訣は昔も今も変わらず、やはり給与からの天引き積立です。   ここではつみたてNISAとiDeCoという、勤労者にとっては、話題性もあり最も有利と言われている貯蓄手段について説明します。  

NISA (Nippon Individual Savings Account)

NISAとは個人非課税口座のことで、一定限度(現在は年間120万円)の株式配当と譲渡益が非課税になります。NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAなどがありますが、ここではつみたてNISAに絞ってお話を進めます。
 
つみたてNISAは年間40万円の限度内で、毎月100円以上から積立ができます。つみたてNISA口座で買える金融商品は金融庁指定(162銘柄、2019年現在)の「バランス型」もしくは「株式100%」の投資信託に限られます。
 
投資信託の銘柄の中から買うことになりますので、リスクを取りながらの運用になります。運用期間は最長で20年間で、途中で一部引き出しや解約も可能です。資金の用途としては、教育資金など、少し長期で積み立てる計画資金に適していると言えます。
 
投資信託の銘柄選びは、債券やREITなど比較的リスクの少ない投資対象を選ぶという方法でリスク軽減ができます。また長期間毎月定額で買うので、10年程度の期間で見るとプラスになるという経験則(ドルコスト平均法)があり、元本割れ発生の可能性は極めて低いとされています
 

iDeCo(individual-type Defined Contribution pension plan)個人型確定拠出年金

公的年金への信頼度が下がる傾向のある中で、自分の老後は自分で守らなければという意識が、若い世代を中心に強くなってきているようです。一方で、企業では従来の確定給付型企業年金(退職金制度)の積立不足が大きな負担になってきています。
 
このような背景の中で、一昨年(2017年)から個人でも確定拠出年金(DC)に加入できることになりました。
 
確定給付型年金は、企業や自治体が年金原資の運用成績にかかわらず約束額を支払う年金制度ですが、これに対して企業型確定拠出型年金は、企業や自治体が従業員と相談して個人ごとに運用商品を決め、運用結果に基づいて年金を支払う制度です。
 
そして、専業主婦・自営業者や年金制度のない会社に勤める人も加入できる確定拠出年金がiDeCoです。
 
現在、iDeCoの加入者は増加しています。前述のような、勤労者と企業の双方のニーズが一致して、加入者増につながっていると想定されます。
 

iDeCoの特徴

iDeCoはつみたてNISAと異なり、60歳になるまでは途中解約や引き出しはできません。
 
積立限度の月額は、公務員、会社員(企業年金あり)、会社員(企業年金なし)、専業主婦、自営業によって1.2万円〜6.8万円まで異なります。
 
また、iDeCoは加入に際して口座をひらく金融機関を選ぶことができます。銀行、証券会社、生命保険会社など自身が投資を希望する商品を扱っている金融機関を選べば良いことになります。
 
さらに最大の特徴は、毎月の掛け金が所得控除の対象になることです。たとえば毎月2万円・年間24万円積立した場合は、所得税率10%(所得額195〜330万円)の場合で住民税とあわせて約4.8万円の節税になります。
 

つみたてNISAとiDeCoの違い

つみたてNISAとiDeCoの違いは表の通り、いつでも引き出しができるつみたてNISAに対して、iDeCoは年金での受取(60歳から)に限定されます。目的が教育資金の場合はつみたてNISA、老後資金の場合はiDeCoのように使い分けるのがひとつの考え方です。
 
また、税金面で大きな違いがあります。つみたてNISAは積立運用期間中の配当・分配金や元本の値上がりは非課税ですが、iDeCoはそれらに加えて積立額が所得控除の対象になります。iDeCoの節税効果については前項で触れた通りです。
 
購入できる(運用する)金融商品は、つみたてNISAでは金融庁が指定する投資信託銘柄に限定されますが、iDeCoでは預金、生命保険、投資信託、ETFなど幅広い金融商品の選択が可能です。
 

つみたてNISAとiDeCoの比較表

 

まとめ

預金や国債の実質無金利状態が長期間(10〜20年)続いており、若い世帯の貯蓄率の低下の一因ではと懸念されています。
 
少額から始めてみて、貯まるよろこびを感じるのも貯蓄の効果の第一歩です。
 
iDeCoやつみたてNISAの節税特典を活かしながら、健全な投資の経験を積むことは、国全体にとっても個人にとっても良い結果を生むことになるのではないでしょうか。
 
執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)
ファイナンシャルプランナー CFP