賛否両論ありますが、働き方改革・休み方改革が、ここ近年、積極的に推進されています。   中でも、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)に向けた取り組みが目立つようになっていますが、現状では、それほど周知されていないような印象を持ちます。   事業主にとっても、社員・従業員にとっても、どのタイミングで、どのような支援がされるかをしっかりと理解している人は少ないのではないでしょうか。   今回は、育休後、職場復帰する際の「働くお母さんに対する就労支援策」についてお伝えしていきたいと思います。  

育児をしながら働く人を守る制度

仕事と育児・介護の両立を支援するための制度を定めた「育児・介護休業法」や「労働基準法」「男女雇用機会均等法」などによって、育児をしながら働く人の権利は明確に定められています。
 
小さなお子さんを養育しているお母さんたちは、労働者としてどのように守られているのでしょうか。法律上の制限についてご紹介していきます。
 
〇産後休業後、子どもが1歳になるまでに復職する場合
(1)育児時間
1日2回、それぞれ30分の育児時間を事業主に対し請求することができます。
 
(2)時間外労働、休日労働、深夜業の制限など
妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、または深夜業をさせることはできません。
妊娠中にも、このような制限が設けられていますが、職場復帰後、お子さんが1歳になるまでの期間も同様の制限があります。
 
(3)母性健康管理措置
お医者さんからの指示があった場合は、健康診査に必要な時間の確保を申し出ることができます。
 
(4)短時間勤務、子の看護休暇など
事業主は、短時間勤務(1日原則として6時間)制度を設けておく必要があります。
 
また、お勤めの会社に申し出ることにより、年次有給休暇とは別に、1年につき5日間、子どもが2人以上なら10日間、病気やケガをした場合の子どもの看護、予防接種及び健康診断のために休暇を取ることができるようになっています。
 
〇3歳未満、または小学校入学前の子どもを育てている方の場合
(1)短時間勤務、子の看護休暇など(小学校入学前まで)
前述の内容と同様です。短時間勤務は、子どもが3歳までは事業主の義務、3歳〜小学校入学前のまでは努力義務となっています。
 
(2)所定外労働の制限(3歳未満まで)
一定の条件を満たす労働者から請求があった場合は、事業主は所定外労働(残業)をさせてはいけないようになっています。
 
(3)時間外労働、深夜業の制限(小学校入学前まで)
一定の条件を満たす労働者から請求があった場合、事業主は、1ヶ月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはならないことになっています。また、深夜(午後10時から午前5時)において、労働させてはならないことになっています。
 

まとめ

これらの制度は、「育児・介護休業法」「労働基準法」「男女雇用機会均等法」などによる規定ではありますが、実際、事業主と社員・従業員の間で、どこまで共通理解が図られているかという点に課題があります。
 
社員・従業員としては、就業規則にどのような規定があるかは最低限知っておくようにしましょう。
 
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)