前回までは、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度について見てきました。   独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度には、大きく分けて給付奨学金と貸与奨学金の2種類があり、前者が返還する必要のない奨学金であるのに対し、後者は返還の義務があります。   貸与奨学金では、学生が大学などの高等教育機関の費用の貸与を受け、卒業後、返還していくことになります。   これと似たような制度に、日本政策金融公庫が行っている「国の教育ローン(教育一般貸付)」という制度があります。今回からは、この制度についてお伝えしていきたいと思います。  

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金と国の教育ローンの違い

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金と国の教育ローンの一番の違いは、借り手が学生ではなく、親御さんという点です。つまり、国の教育ローンでは、親御さんが国から教育に必要な資金を借り、返済していくことになります。
 
貸与奨学金では、資金の受け手が学生であるため、第一種では無利息、第二種ではかなり低い金利のもと資金の「貸与」を受けることができました。
 
一方、国の教育ローンは、優遇はされているものの、貸与奨学金よりも高い利率で「融資」を受けることになります。「貸与」と「融資」という言葉の違いに着目してみると理解しやすいかもしれません。
 

国の教育ローンの対象となる学校とお金の使い道

さて、国の教育ローンでは、融資の対象となる学校を次のように指定しています。
 
・大学、大学院、短期大学
・専修学校、各種学校、予備校、デザイン学校
・高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
・外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校
・その他職業能力開発校などの教育施設 
 
修業年限が6ヶ月以上(外国の教育施設は3ヶ月以上)で、中学校卒業以上の方が通える教育施設となっています。
 
そして、融資の対象となる学校にかかるお金の使い道としては、入学金や授業料、施設設備費などの学校納付金だけでなく、受験料や受験時の交通費、宿泊費など受験にかかった費用、アパートやマンションの敷金・礼金など在学のため必要となる住居費用、教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用、修学旅行費用、学生の国民年金保険料などがあります。
 
このように見ると、かなり使い道に幅がある印象を持ちます。国の奨学金と違い、あくまでも融資であるため、使途を限定していないということが分かります。
 
また、融資の対象となる費用は、「今後1年間に必要な費用」とされています。例えば、遠方の大学を受験する際に、一時的に必要なお金を借りることも可能です。入学後に貸与が開始される貸与奨学金と比べて、このような点でも使い勝手がいいと言えるかもしれません。
 
国の奨学金と併せて活用できるため、教育・進学資金の準備が難しいという場合は、選択肢として有効です。
 
今回は、国の教育ローンの対象となる学校や、融資の使い道について取り上げました。次回は、「利用条件」についてお伝えしていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)