2008年にアメリカで創業されたAirbnb(エアービーアンドビー)により、世界的にもブームとなった「民泊」。日本においても、ここ数年、訪日外国人観光客の増加への宿泊ニーズへの対応や、少子高齢化社会を背景として増改築した空き家の有効活用といったことから、「民泊」に対するニーズは高まっています。   実際に、民泊宿泊者数は増加傾向にあります。2018年6〜7月の2ヶ月間で8万3238人であったのが、2019年6〜7月では35万197人と4.2倍に増加しています。特に2020年は、東京オリンピックがあり訪日外国人がさらに増加するとともに、ホテル不足やホテル料金の高騰により、ますます民泊宿泊者が増えることが予想されます。   したがって、自宅に空き部屋を保有している人や相続で実家を相続して空き家を所有している人、アパートを所有しているが空室で困っている人など、「民泊」で稼ぐチャンスであるといえます。   ただし、「民泊」を行うためには、守らなければならないことや都道府県知事等への届け出が必要なので、これらを十分に確認し、手続きをした上で行う必要があります。今回は、民泊についての基本を学び、必要な手続きなどについて確認してみたいと思います。  

民泊について知ろう

■民泊とは?

「民泊」についての法令上に明確な定義はありません。一般的には、住宅(戸建住宅やマンションなどの共同住宅等)の全部または一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供することをいいます。
 
前述したAirbnbなどが、インターネットを通じて空き室を短期で貸したい人と宿泊を希望する旅行者とをマッチングするビジネスを始めたことをきっかけに、世界各国で急速に増加しているようです。

■「民泊」を行うための3つの方法

「民泊」を日本国内で行うためには、次の3つの方法があります。
1.旅館業法(昭和23年法律第138号)の許可を得る
2.国家戦略特区法(平成25年法律第107号)(特区民泊)の認定を得る
3.住宅宿泊事業法の届け出を行う
 
上記1の許可を受けるためには、用途地域による建築物の用途制限を受けたり、消防法により一般の住宅よりも厳しい基準をクリアしなければならず、一般人が行うにはハードルが高いです。
 
また、上記2は、東京都大田区をはじめとして、大阪府や大阪市など国家戦略特区の区域として指定された地域のみが対象ですので、今回は、上記3の住宅宿泊事業法について紹介することとします。
 

住宅宿泊事業法について

■住宅宿泊事業法の概要

住宅宿泊事業法は、急速に増加するいわゆる民泊について、安全面・衛生面の確保がなされていないこと、騒音やゴミ出しなどによる近隣トラブルが社会問題となっていること、観光旅客の宿泊ニーズが多様化していることなどに対応するため、一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るものとして、新たに制定された法律で、平成29年6月に成立しています。

■「民泊」実施のための手続きと留意点

住宅宿泊事業を営むためには、都道府県知事等に当該事業を営む旨の届け出をする必要があります。また、届け出の際、入居者の募集の広告等住宅が居住要件を満たしていることを証明するための書類、住宅の図面等を添付することとしています。
 
なお、住宅宿泊事業の届け出は、「民泊制度運営システム」を使いオンラインで行うことができます。
 
一方、「民泊」を行うためには、宿泊者の衛生確保や安全の確保、外国人観光客の宿泊への対応、周辺住民への配慮や定期報告等に関する順守事項もあるので、これに対応する必要があることも留意しなければなりません。
 
「民泊」で稼ぎたいと思っている人は、政府の公式ウェブサイトである「民泊制度ポータルサイト」を閲覧したり、民泊制度コールセンターに問い合わせたりすることから始めると良いでしょう。
 
(出典)


 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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