もし病気やけがで入院することになったら、費用はどのくらいかかるのでしょうか? 傷病の種類も程度も人によって違うので、具体的な額をイメージすることは難しいですが、もしもに備えて相場くらいはある程度知っておきたいところです。厚生労働省の統計資料から平均値を確認してみました。  

1日あたりの入院医療費は若い人ほど高額になりやすい

病気やけがで治療をすることになったとき、治療費やその他の付随する費用でどのくらいかかるか想像できず、不安に思う人は多いです。
 
しかし、いつ、何の病気になるかは誰もわからないので、いつ起きても問題ないように備えておく必要があります。経済的な備えをするには、統計調査を参考にすると比較的行いやすいです。医療費に関する調査は複数ありますが、今回は厚生労働省のホームページから、まずは1日あたりの医療費を年齢階級別に調べてみました。
 
1日あたりの入院医療費は、入院診療費に食事・生活療養費を足して求めています。
 

 
1日あたりの入院医療費を年齢階級別に見たとき、もっとも高いのは0〜4歳の6万4059円で、次が5〜9歳の6万493円、その次が10〜14歳の5万4456円です。そしてもっとも低いのは100歳以上の2万2526円、次に低いのが95〜99歳の2万4612円、その次が90〜94歳の2万6710円です。全年齢では3万6172円です。
 
意外と感じるかもしれませんが、1日あたりの医療費は若年層のほうが多くかかっています。乳幼児は短い期間で手術等をしていくのに対し、高齢者は体力的なことも考慮しながら進めるので、同じ医療行為をしたとしても、1日あたりの費用では若い人が高額になりやすいのかもしれません。
 
働いている20歳代から60歳代は4万円弱で、あまり差はありません。自己負担割合が3割だと1万円を少し上回る程度と推測できます。
 

1日あたりの入院日数は高齢になるほど長くなりやすい

同じ統計から次に1件あたりの入院日数をグラフにしてみました。先ほどの1日あたりの入院医療費にこの入院日数をかけることで、1件あたりの入院医療費を推測できます。
 

 
1件あたりの入院日数は高齢になるほど長く、もっとも長い100歳以上は20.91日で、次が95〜99歳の20.17日、その次が90〜94歳の19.39日です。
 
逆に入院日数がもっとも短いのは0〜4歳の6.60日、次が5〜9歳の6.76日、その次は25〜29歳の9.24日です。100歳以上と0〜4歳では3倍の差があり、50歳から74歳までは15日弱でほとんど差がありません。全年齢の平均は15.06日です。
 
調査方法の違いから、同じ厚生労働省の患者調査よりも平均の入院日数は短いですが、高齢になるほど入院日数が長くなることは共通しています。
 

1年間に入院するのは5人に1人

最後に年齢階級別の入院受診率を確認してみました。受診率は病院等で受診した件数を健康保険加入者数(1億2631万人)で割って求めたものです。病気やけがで受診するおおよその確率をイメージできます。
 

 
全年齢での入院の受診総数が2799万件なので、1人あたりの受診率は0.22(件/人)です。平均では1年間で5人に1人が入院する確率です。
 
年齢階級別に若年層から見てみると、0〜4歳は0.20でやや高いものの、5歳から24歳まではわずか0.05程度しかなく、49歳までは0.10を下回っています。65〜69歳で全年齢の平均を上回り、100歳以上は1.71まで上昇します。
 
100歳以上と10〜14歳では受診率に50倍近い差があり、グラフを一目見てもわかるように高齢者が平均値をかなり押し上げています。
 
3つのグラフからいえることは、働いている世代が病気やけがで入院をすると1日あたり約1.2万円かかり、15日間入院するので、1回の入院治療で18万円ほどの医療費負担がイメージできます。1年間に入院する可能性は、受診率が0.1程度なのでかなり低いといえます。
 
ただ、高齢になると受診率は累進的に高まり、入院日数も長くなるので、高齢になる前に安心できる備えをしておきたいところです。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者

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