ハイブリッドカーなどの地球環境を考えたエコカーの普及が進んでいます。   イギリスでは2035年、フランスでは2040年以降、ガソリン車やディーゼル車の販売を禁止すると発表しています。日本でも2050年までに国内外で販売する全ての乗用車(新車)を、電気自動車やハイブリッドカーにするとの政府の方針が示されました。   そこで、今後さらに注目を集めるであろう「電気自動車」の現状について確認してみたいと思います。

電気自動車とガソリン自動車の違い

これまでのガソリン車などは、エンジンを搭載して燃料を燃焼するエネルギーで走行する仕組みです。一方の電気自動車は「EV」(Electric Vehicleの略)とも呼ばれ、エンジンの代わりに電気で動くモーターを搭載し、電気を蓄えるバッテリー、それらを制御するコントローラーなどで構成されています。
 
エコカーには電気自動車のほかにも、ガソリン車のエンジンと電気自動車のモーターの両方を備えたハイブリッドカー(HEV)や、ハイブリッドカーの機能に加えて外部充電できる大容量バッテリーを備えたプラグインハイブリッドカー(PHV・PHEV)、クリーンディーゼル自動車(CDV)、燃料電池車(FCV)、天然ガス車(NGV・CNG)などもあります。

電気自動車のメリット

電気自動車の主なメリットを見てみましょう。

1 環境にやさしい

電気自動車の最大のメリットは、地球環境にやさしい点でしょう。エンジンを搭載した車は、燃料を燃やすことで二酸化炭素を排出します。二酸化炭素は地球温暖化の原因となっており、全世界で排出量を減らすための取り組みが行われています。
 
今後、電気自動車の普及によって、車からの二酸化炭素の排出量が減少し、地球温暖化の防止に効果を発揮するでしょう。

2 安い電気代で走行できる

ガソリンなどの燃料に比べて、安価な電気を利用することで走行のための費用が削減できます。1000キロメートルを走行する場合を比較してみましょう。
※燃費や電費、ガソリン代や電気料金の設定・条件により異なるため、一例としてご覧ください。
 
・ガソリン車 1000キロメートル÷燃費14.0キロメートル/l×ガソリン代140円/l≒10000円
・電気自動車 1000キロメートル÷電費6.0キロメートル/kWh×電気料金(夜)22円/kWh≒3666円
 
上記の条件では、1000キロメートルの走行で6000円超の節約となります。

3 補助金がもらえる

国(経済産業省)の制度として、電気自動車などの車両購入の際に利用できる「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」があります。
 
また、充電設備の設置に関する補助金なども用意されています。さらに、都道府県ごとに補助金制度を実施している場合もあるので、購入時には必ず確認してみましょう。

4 税金が安い

環境に配慮した車への優遇制度「エコカー減税」は、ガソリン車でも適用されますが、電気自動車の場合は自動車重量税が100%免税となります。また、自動車税は排気量の大きさで決まるため、電気自動車は排気量ゼロで最低ランクの税率です。
 
このほかにも、加速性能の高さや静粛性(騒音や振動が少ない)なども電気自動車のメリットといえるでしょう。

電気自動車のデメリット

反対に、電気自動車のデメリット(課題)についても簡単に見てみましょう。

1 走行航続距離が短い

1回の充電での走行距離はメーカーごとに改善されてきていますが、ガソリン車などに比べるとまだ劣っているのが現状です。

2 充電スタンドの設置個所が限られる

以前はカーディーラーなどに充電スタンドの設置が限られていました。現在はショッピングセンターや大型ホームセンターの駐車場、マンションの駐車場などにも充電スポットの設置が進められており、利便性は向上してきています。

3 充電に時間がかかる

ガソリンスタンドでの給油は5分程度ですが、電気自動車の充電には急速充電でも最低数10分程度は時間がかかります。お買物のついでや電気料金が安い夜間を利用するなど、空き時間をうまく活用したり、効率的に充電する工夫も欠かせません。

4 車両本体の価格が高い

ガソリン車などに比べると、車両本体価格が高いことが挙げられます。前述した国や都道府県などの補助金を活用しながら、ランニングコストも考慮の上、購入を検討する必要があるでしょう。

まとめ

以上のように、電気自動車に切り替えることでランニングコストや補助金、税制面での優遇など、さまざまなメリットがあります。
 
デメリットである充電スタンドの不足や充電時間の問題も、徐々に改善されていくことでしょう。電気自動車を大型の蓄電池へと変えるV2H機器などを導入することで、災害や停電など緊急時の電源として活用することも可能です。
 
最も重要なのは、全世界規模で地球温暖化への対策が急務であるということです。我々一人ひとりが問題意識を持ち、二酸化炭素の排出量を減らすための活動の第1歩として電気自動車の利用があるのかもしれません。
 
参考 
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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