令和2年4月現在、新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務になったり、休業要請が出たりと、仕事の面で大きな変化が起きている方が多いと思われます。今後の仕事にも不安を覚えている方も多いのではないでしょうか。   そこで今回は、雇用保険に加入して働いている(働いていた)方が、スキルアップやキャリアアップのために講座を受講した場合に使える「教育訓練給付金」についてお伝えします。2019年10月に制度変更して新しくなった内容も確認しておきましょう。  

教育訓練給付金制度はどんな時に使える?

教育訓練給付金制度とは、厚生労働省が認めた一定の講座を受講すると費用の一部が戻ってくる制度です。ただし、誰でも受講できるというわけではありません。そもそも雇用保険の制度ですので、事業所で雇用保険に加入して働いていた方や現在働いている方が対象です。
 
例えば、今コロナの影響で残業もなく、在宅ワーク中心で時間に余裕があるので、業務知識を深めるために簿記の資格を取りたい、という場合、雇用保険に加入していた期間が3年以上あれば利用できます。ただし、初めて教育訓練給付金を受ける場合に限って加入期間が1年でも利用できます。
 
また、会社を辞めて仕事を探しているが、再就職に生かすために講座を受講したいという場合も、雇用保険に加入していた期間が3年(初回は1年)あれば利用可能です。ただし、離職日の翌日から受講開始日までの間が1年(要件により最大20年)以内でなければいけません。
 
教育訓練給付金制度は、「働く方の主体的な能力開発の取り組みまたは中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的(厚生労働省ホームページより)」としているため、働いている方が雇用の安定のため受けるだけではなく、再就職を目指す失業中の方も給付を受けることができるのです。
 

教育訓練給付金制度は、2019年10月に変わった!

教育訓練給付金には大きく分けて、一般教育訓練給付金と専門教育訓練給付金がありますが、2019年10月から特定一般教育訓練給付金も加わりました。
 
それぞれの教育訓練給付金の対象には、講座受講料、入学金の他、キャリア・コンサルティングの費用(2万円まで)も含まれます。
 
一般教育訓練給付金で受けられる講座は幅広く、比較的短期間で学べる内容になっています。また、通信講座も多数ありますので、外出が難しい状況でも受講が可能なものもあります。支給金額は受講費用の20%、最大10万円です。受講終了後1ヶ月以内に居住地を管轄するハローワークで所定の手続きを行う必要があります。
 
特定一般教育訓練給付金は、平成30年6月の人づくり革命基本構想で、「ITスキルなどキャリアアップ効果の高い講座を対象に給付率を2割から4割に倍増する」とされたことを踏まえて新設されました。
 
支給金額は受講費用の40%、最大20万円です。手続きは一般教育訓練給付金と同様に受講終了後1ヶ月以内に居住地を管轄するハローワークで行う必要があります。さらに、訓練前キャリア・コンサルティングを受けてジョブ・カードの発行を受けた上で、受講開始前1ヶ月以内にハローワークでの受給資格確認申請も必要です。
 
専門教育訓練給付金は、看護師、介護福祉士、美容師、理容師、調理師、保育士、歯科衛生士、はり師、社会福祉士、准看護師、柔道整復士、栄養士など、より専門的な知識が必要な講座が対象です。
 
原則として、受講期間は1年から3年(管理栄養士など一部の講座は4年)以内となっていますので、かなり長期の訓練期間です。給付金も一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金が1年以内の受講料が対象なのに対し、最大4年間分の受講料が対象です。
 
支給金額は受講費用の50%(2017年12月受講開始の場合は40%)、1年あたりの給付金は最大40万円(2017年12月受講開始の場合は32万円)です。講座を修了後、試験に合格して再就職をすると、さらに20%の上乗せ給付が行われます。なお、特定一般教育訓練給付金と同様、ハローワークでの事前申請とキャリア・コンサルティングが必要です。
 
さらに専門教育訓練を受講中の失業中の方が受けられる、教育訓練支援給付金もあります。これは、専門教育訓練は受講期間が長いため、失業手当が終了した後も引き続き安心して訓練を受講できるようにというものです。ただし、45歳未満という年齢要件がありますし、令和4年3月31日までの時限措置となっていますので注意が必要です。
 

使える制度は活用し、仕事の安定につなげよう

このように、教育訓練給付金制度にも種類がありますので、自分に合った講座をうまく利用しましょう。これは雇用保険の制度ですので個人事業主の方は利用できません。このような恵まれた制度を利用できるなら、使わない手はありません。
 
新型コロナウイルスで仕事にも大きく影響が出ている今、受講できない講座もあるかもしれませんが、リサーチして受講の準備を進めておくことはできます。
 
この機会にあらためて自分の仕事について見つめなおし、スキルアップにつなげるきっかけにしてはいかがでしょうか。
 
執筆者:福島佳奈美
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー

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