今まで10種類の所得の内容と所得税の計算方法について述べてきました。この記事では切り口を変えて、10種類の所得の課税方式について見ていきたいと思います。

総合課税と分離課税

課税方式には、総合課税と分離課税の2とおりがあります。
 
総合課税とは、その人が1年間に得た所得を合計して課税の対象として計算する方式です。総合課税の対象となる全ての所得を合計し、そこから所得控除を差し引き、課税所得金額を算出します。具体的には、課税所得金額に超過累進課税方式で算出された所得税率を掛けて、税額を求めます。
 
これに対し、分離課税はほかの所得と合算しないで、それぞれの所得にそれぞれの税率を掛けて税額を計算する方式です。
 
分離課税方式がとられる多くの場合は、総合課税による超過累進課税を適用すると税額が高くなるので、それを軽減しようとする意図によるものと考えられます。山林所得、株式、土地・建物の譲渡所得、退職所得などに分離課税が適用されます。

分離課税の特例としての源泉分離課税

課税方式にはもう1つ、分離課税の特例としての源泉分離課税があります。源泉分離課税の代表的なものは、銀行預金などに関する利子所得です。その場合、利子の金額の20.315%が受取時に天引きされます。
 
分離課税との大きな違いは、確定申告をする必要がないということです。銀行預金の利子の場合、預金が支払われる際に利子から税金が差し引かれ、預金者に代わり銀行が税金を納めることで課税が完結することになります。

総合課税の対象となる所得

総合課税の対象となる所得には次のものがあります。
 
(1)利子所得(国外で支払われる預金等の利子で、源泉徴収されないものなど総合課税が適用されるものに限る)
(2)配当所得(総合課税を選択した場合)
(3)不動産所得
(4)事業所得(株式等の譲渡による事業所得を除く)
(5)給与所得
(6)譲渡所得(土地・建物等および株式等の譲渡による譲渡所得を除く)
(7)一時所得(懸賞金付預貯金等の懸賞金等、源泉分離課税とされるものを除く)
(8)雑所得(株式等の譲渡による雑所得、源泉分離課税とされるものを除く)
 
(注)上記(4)(6)(8)に係る所得の計算において、一定の先物取引による事業所得、譲渡所得および雑所得については、ほかの所得と区分して申告分離課税の方法により所得税が課されます。
 
一人で上記の所得の全てを申告する人はまれだと思いますが、例えばサラリーマンで副業に不動産賃貸業を行い、かつ同一年度に生命保険の満期保険金を取得した人は、給与所得、不動産所得、一時所得の3つの所得を合算して申告することになります。

まとめ

総合課税は個人の所得を合算して申告する制度です。その2以降では、損益通算と分離課税について説明していきます。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

関連記事