現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減少してしまった方への支援策として、住居確保給付金、緊急小口資金、感染拡大防止協力金、持続化給付金など、さまざまなセーフティーネットが作られています。   ところで、これらの給付金などは課税対象となるのでしょうか。

住居確保給付金は課税対象

住居確保給付金は、生活困窮者自立支援法にのっとって策定された制度で、離職などにより住居を失った方、または失うおそれのある方に、就職に向けた活動をすることなどを条件に国や自治体が一定期間、家賃相当額を支給する制度です。
 
本来、受給するためには収入要件、資産要件、就職活動要件がありますが、新型コロナウイルス感染拡大をうけて生活困窮者自立支援法施行規則の一部が改正され、支給対象が拡大されたことにより、申請のプロセスも緩和されています(※1)。
 
生活困窮者を対象とした制度なので、つい生活保護や雇用保険などの国税庁が定める非課税所得(※2)と混同してしまいがちですが、住居確保給付金は雇用保険から支給される失業手当とは異なります。
 
ゆえに、現状は雑所得(※3)として考えることが自然といえます。
 
もっとも、給与所得者として会社の年末調整により税務申告を済ませている方は、雑所得の金額が20万円以下であれば確定申告は不要となります。
 
仮に離職により1、2ヶ月程度、住居確保給付金を受け取ることになっても、再就職して給与所得者となった場合は申告の必要が生じない可能性は十分にあります。
 
ただ、住居確保給付金は役所(自治体)から家主(貸主)に直接支払われるという制度上(※4)、このような申請した本人を素通りする給付金を実際に所得とみなすかどうかは、念のためお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせされると良いでしょう。
 
また、住居確保給付金の制度自体が失業給付など他の社会保険制度と類似している点から、今後、国税庁が非課税所得に分類する可能性も捨てきれません。
 
制度の変更は注視する必要があります。
 

緊急小口資金は貸付金なので課税対象ではない

緊急小口資金は社会福祉協議会が資金の貸付と相談支援を行い、相談者が経済的に自立することを図る社会福祉制度で、新型コロナウイルス感染拡大により対象を拡大した特例貸付が実施されています。
 
資金という言葉が給付金的な意味を想像させますが、貸付のため課税対象にはなりません。
 

感染拡大防止協力金は課税対象

感染拡大防止協力金は、都道府県などの自治体が新型コロナウイルス感染拡大を抑えるために休業や営業時間短縮に協力してくれた中小企業や個人事業主に支給するものです。
 
現時点では所得税、法人税の計算上、収入金額や益金に加える必要があります(2020年5月14日現在)。
 
もちろん、各種経費を差し引いて事業年度が赤字になった場合、課税所得は生じないことになります。
 

持続化給付金は課税対象

前年同月比で50%以上売上が減少している事業者を対象に、中小企業などの法人に200万円、フリーランスを含む個人事業者に100万円を上限に現金を給付する制度です。
 
持続化給付金は税務上、益金(個人事業者の場合は総収入金額)に算入されます。
 
もちろん持続化給付金を含めた収入よりも損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じません。
 

まとめ

今般、注目されている特別定額給付金(1人あたり10万円を支給する制度)は課税対象にはなりません。
 
また、失業手当や損害保険金が非課税となる制度があることから、その他の給付金なども同様であろうと連想してしまいがちです。
 
しかし上記で見てきたとおり、事業主に支給される給付金は基本的に課税対象の収入とみなされます。
 
新型コロナウイルスに関連した給付金などの支援制度は、手厚いものになっています。
 
年度を通して所得が発生した際には、給付金も含めてしっかりと申告をしましょう。
 
出典





 
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

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