毎月支払われていた通勤交通費がテレワークや在宅勤務によって支払われなくなったという話を耳にします。   オフィスに出社しない場合の交通費は、一体どのように取り扱われるのが正しいのでしょうか?   この場合の交通費について解説しながら、その疑問を解決していきます。

通勤手当は基本的に非課税

通勤に要する交通費は通勤手当などとして支給されることが一般的です。
 
たいていの場合、自宅から勤務先まで公共交通機関を利用した場合の定期代相当額が、この通勤手当の金額となっています。
 
この通勤手当は非課税となり、所得税や住民税などの計算において課税対象とはなりません。
 
ただし、通勤の方法や手当の金額などによっては課税対象となることもあります。
 
新幹線のグリーン車の料金や、1ヶ月の交通費が15万円を超える部分などが課税対象となる代表的な例です(※1)。
 
とはいえ、経済的かつ合理的な通勤方法であれば、課税対象となることはほとんどないでしょう。
 
一方、厚生年金や健康保険など社会保険料の算定においては、この通勤手当を含んで社会保険料を算出します。
 

通勤手当の支給は会社の義務ではない

意外に思われるかもしれませんが、通勤手当の支給は会社に課せられた義務ではないのです。
 
あくまでも福利厚生の一環として、会社が通勤に要した費用を独自の基準で算出し、支給しているのです。
 
そのため、実際には通勤に要した交通費が満額支給される会社もあれば、通勤手当がまったく支給されない会社もあります。
 

テレワークや在宅勤務の交通費は就業規則などを確認

テレワークや在宅勤務中の交通費の取り扱いについては、まず勤務先の就業規則や賃金規定を確認してみましょう。
 
多くの会社では、通勤手当について、通勤日数や実態に応じて支給する、といったように規定されています。
 
言い換えれば、通勤のために交通費が発生しない場合は、通勤手当の支給もないということです。
 
このように規定があれば、在宅勤務により出勤のための交通費が発生しない日は、通勤手当が支給されないとしても、会社にとっては問題とならないといえるでしょう。
 
逆に、「出勤日数や方法に関係なく通勤手当を支給する」というように、一律で支給されるような規定となっていると、会社は通勤手当を支給しなければならない可能性が高くなります。
 

不要となった定期券は払い戻しができる

定期券は、各交通事業者の規定次第ではありますが、残りの期間に応じて払い戻しを受けることができます。
 
定期券を数ヶ月分まとめて購入したものの、在宅勤務中は通勤手当が不支給となってしまったという場合は、早めに払い戻し手続きを行いましょう。
 
定期券の残存期間によっては、払い戻しが受けられなくなってしまいます。
 
なお、定期券の残存期間と緊急事態宣言の発令期間が重なっている場合は、特例として通常よりも払い戻しの受けられる期間や金額の条件が緩和されることもあります(※2)。
 
詳細については、各交通事業者にご確認ください。
 

テレワークや在宅勤務中は交通費の不支給となることがあります

通勤手当の支給は、企業の福利厚生の一つです。
 
そのため、通勤手当の取り扱いについては会社ごとに異なり、テレワークや在宅勤務中は通勤手当が支給されないことがあります。
 
通勤手当の取り扱いについては、勤務先の就業規則や賃金規定を確認するとともに、人事部門に確認するとよいでしょう。
 
[出典]

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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