日本では少子化と高齢化が進み、令和元年では、生まれてくる子は90万人を割り、逆に65歳以上の方は3500万人を超える状況になっています。
 
「介護保険制度」は平成12年度に施行されましたが、支える人の減少、介護される人の増加により何度も改正されてきました。
 
今回は、令和2年に全面導入された「介護保険料の総報酬割」について見ていきましょう。

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介護保険制度の生い立ちは

日本では高齢化に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズが増加していました。
 
一方で、核家族化や、介護をする人の高齢化により、今までの老人福祉・医療制度では限界が生じたため、平成12年に介護保険法が施行され、新たに「介護保険制度」ができました。
 
要介護者を社会全体で支えていくための介護保険は、「自立支援」・「利用者本位」・「社会保険方式」が採用されています。
 
制度創設時の平成12年には、65歳以上の被保険者は2165万人でしたが、平成30年には3492万人と1.6倍に、要介護(要支援)認定者については218万人から644万人と3倍に増加しています(※1)。
 

介護保険の内容は

介護保険の被保険者は、第1号被保険者(65歳以上)と、第2号被保険者(40歳から64歳まで)の二種類に分けられます。
 
平成28年度時点では、第1号被保険者が3440万人、第2号被保険者は4200万人で、そのうち、要介護者は第1号被保険者で619万人、また第2号被保険者で13万人となっています(※1)。
 
介護保険は「各市町村」を保険者としており、給付については、公費(国・都道府県・市町村)で50%、被保険者保険が50%を負担し、成り立っています。
 
平成30年度の介護保険の財源の内訳は、予算ベースで、第1号被保険者(23%)、第2号被保険者(27%)の保険料負担、国庫負担金(25%)、都府道県負担金(12.5%)、市町村負担金(12.5%)です。なお、このときの予算では、介護給付費は10.3兆円とされています(※1)。
 
介護の必要が生じた場合は、利用者が各市町村に申請し、要介護認定を受ければ、介護保険を使い介護保険サービスを受けることができるようになります。
 
なお、介護保険のサービスには、訪問系サービス・通所系サービス・短期滞在系サービス・居住系サービス・入所系サービスの5つの種類があり、要介護者は原則1割(所得により2割・3割)の支払いで、それらのサービスを利用することができます。
 

介護保険の総報酬割とは

以前、介護保険の第2号被保険者(40歳から64歳)の保険料については、その加入する医療保険の人数に応じて負担する額が決められる仕組みとなっていました。
 
しかし、その仕組みでは介護納付金の負担率のばらつきが高くなってきており、これを解決するために、このたび「総報酬割」という仕組みが導入されました(※2)。
 
第2号被保険者は、国保・健保組合・共済組合・協会けんぽなどに加入しており、そのうち、国保を除いた健保組合・共済組合・協会けんぽなどを「被用者保険」といいます。
 
総報酬割とは、被用者保険間(健保組合・共済組合・協会けんぽ)において、介護納付金を従来の「人数割」ではなく、「報酬額に比例」して負担する仕組みに変えていくもので、平成29年より段階的に2分の1導入になり、令和2年からは全面導入となっています。
 
<介護納付金の決まる仕組み>
(1)第2号被保険者は給付額の27%(平成30年度予算の場合)を負担
(2)介護給付費の27%÷第2号被保険者数=第2号被保険者1人当たり保険額
この保険額を各保険の被保険者数に応じて負担

これを被用者保険間では報酬額に比例して負担する仕組みに変更
 
したがって、報酬額の高い組合は介護保険料が高くなり、報酬額の低い組合は介護保険料が低くなることになります。
 
これにより、一人当たりの負担額も、総報酬割(総報酬額に応じて負担)に準じ、報酬の高い人は介護保険料が高くなり、報酬の低い人は低くなります。
 

まとめ

介護給付金は年々増大してきており、逆に負担する側は健康組合により赤字を出しているところもあるため、人数での平等ではなく、報酬による平等に変えたのが、今回の介護保険料の総報酬割です。
 
医療費の増大は健康保険でも問題になっており、これからも思い切った大改革が必要となっていくことと思います。
 
出典


 
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表

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