健康保険などの公的医療保険には、高額療養費制度というものがあります。

医療費は高額になると一定額以上が戻ってくる制度がありますが、公的介護保険で介護費用が高額になったときはどうなるのでしょうか。同じような制度があるのでしょうか。

確認してみましょう。

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「高額介護サービス費」制度とは

公的介護保険を利用するときは、自己負担分は実際にかかった費用の1割(所得に応じて2割や3割となることもあります)負担で済みますが、いろいろなサービスを受けると、たとえ1割負担でも金額が大きくなり、支払いが大変になるときがあります。支払金額の合計が、同じ月に一定の上限を超えたとき、申請をすると「高額介護サービス費」として払い戻される制度があります。
 
これは、国の制度に基づき各市区町村が実施するもので、個人の所得や世帯の所得により上限が異なります。たとえるなら「介護保険の高額療養費制度」ともいえるものです。医療保険の高額療養費制度と同様に世帯合算もありますので、夫婦で公的介護保険を利用し高額になった場合も対応が可能です。
 

高額介護サービス費の仕組み

負担した公的介護保険のうち、限度額を超えた部分が「高額介護サービス費」の対象となり、払い戻されます。対象は、市区町村から「要介護(1〜5)」「要支援(1、2)」の認定を受けた人のみですので注意してください。「非該当(自立)」と判断された場合は、介護サービスを利用していても対象にはなりません。
※所得制限については各市町村役場に確認ください。
 
在宅サービスと地域密着型サービスについては、支給限度額を超えた部分は高額介護サービス費の対象となりませんので注意してください。

高額介護サービス費における限度額

「高額介護サービス費」の1ヶ月あたりの限度額は、以下のとおり定められています。

※1:同じ世帯に65歳以上で課税所得145万円以上の人がおり、65歳以上の人の収入の合計が520万円以上(単身の場合は383万円以上)である場合
※2:2020年7月までは1割負担の被保険者のみ世帯、かつ世帯が現役並み所得者世帯に該当しない場合は年間上限44万6400円(月当たり3万7200円)
 
同じ世帯に複数のサービス利用者がいる場合には、世帯全体の合計額となります。
 

対象となる費用

介護サービスの利用料として支払った自己負担部分の合計額が「高額介護サービス費」の対象となります。高額介護サービス費の支給対象となるのは、次の3つの基本サービスです。
 
(1)「居宅サービス」:身の回りのサポートをする訪問サービス、デイサービスなどの通所サービス、ショートステイなどの短期入所サービス。
(2)「介護施設サービス」:特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設などへの入所に付随したサービス、食事や入浴、排泄の補助などのほか、看護などが含まれることもあります。
(3)「地域密着型サービス」:居宅サービスよりさらに細やかな訪問・通所型サービス、自宅近くの小規模な施設に入所する施設・特定施設型サービス、そして認知症対応型サービスなど。
 
なお、施設サービスの居住費・食費や日常生活費は含まれません。また、福祉用具の購入費や、住宅のリフォームにかかる費用も含まれませんのでこれも注意が必要です。

申請方法

「高額介護サービス費」の支給対象となったら、居住している市区町村から支給申請書が送られてきます。その申請書に必要事項を記入・押印して、市区町村の役場へ送ります。受理されると「支給決定通知書」が届き、指定した口座へ振り込まれます。
 
介護費用が経済的負担になることを気にして、介護サービスを減らしていた人もいるかもしれません。けれども高額介護サービス費を有効活用すれば、経済的な負担は軽減されます。担当のケアマネージャーや市区町村に確認すれば、詳細を説明してくれるでしょう。
 
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント

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