パートタイマーの方で、国民年金から厚生年金に切り替わる人がいることをご存じですか?
 
令和2年5月29日に成立した「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」で、厚生年金の適用範囲が拡大されました。これまでは国民年金を払っていた、もしくは配偶者の扶養に入っていた方でも厚生年金の被保険者になる可能性があります。
 
厚生年金は、国民年金と違い給与からの天引きです。気付いたら給与の手取り額が減っていて驚いた、ということがないように、今回の制度の変更点について学んでおきましょう。

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短時間労働者も厚生年金の対象になる

法改正にかかわらず、現在は短時間労働者、いわゆるパートタイマーの方々であっても、厚生年金の適用事業所に勤め、週の労働時間がフルタイム労働者の4分の3以上の場合は厚生年金の被保険者となっています。
 
今回の改正の対象はこのケースではなく、労働時間が4分の3未満の方々です。この方々は一定の条件により、厚生年金の被保険者になる場合と、ならない場合があります。
 

労働時間が通常の4分の3未満で厚生年金に加入する条件とは

週の労働時間がフルタイム労働者の4分の3未満となるパートタイマーの方々が厚生年金に加入する要件は、次の全てを満たす場合です。
 

厚生年金に加入する要件 ★(1)1週間の所定労働時間が20時間以上ある。 ★(2)雇用期間が1年以上見込まれている。 ★(3)賃金の月額が8万8千円以上(年収換算で約106万円以上)ある。 ★(4)学生ではない。 ★(5)厚生年金の被保険者が常に501人以上いる法人、個人、国、地方公共団体の適用事業所に勤めている。

 
今回の改正は、このうちの(2)と(5)についてです。

雇用期間の見直し

制度の変更により、雇用期間の見込み期間が1年以上から2ヶ月超に見直されます。これはフルタイム労働者、つまり正社員などと同じ要件になるということです。頻繁に勤務先を変えている人や、雇用契約期間を1年未満にしているようなケースでも、厚生年金の加入対象に含まれることになります。
 

適用事業所の人数

現在、週の勤務時間がフルタイム労働者の4分の3未満の短期労働者が厚生年金に加入するためには、勤務先の厚生年金の被保険者が501人以上という条件があります。
 
この下限の人数が、令和4年10月に100人超、令和6年10月に50人超の規模に緩和されます。厚生労働省によると、被保険者数50人超の規模まで適用要件の緩和が進むと、新たに厚生年金に加入できる人は65万人増えると推計されています。
 
自分には関係のない話と思っていた人でも、気付いたら厚生年金の被保険者の対象になっている可能性があります。
 

厚生年金の被保険者になるメリット

厚生年金の被保険者になると配偶者の扶養から外れます。国民年金保険料を払っていた人は厚生年金保険料になり、保険料は給与天引きになります。収入から社会保険料および税金を引いた可処分所得が下がるので、一見損をしている気がするかもしれませんが、メリットもあります。
 
厚生年金保険料は労使折半であるため、半分は勤務先が払ってくれます。その上、老後は老齢基礎年金に加え、老齢厚生年金が受け取れます。
 
また、厚生年金の被保険者は同時に健康保険に加入します。健康保険には傷病手当金といって、怪我や病気で連続する3日を含む4日以上仕事を休み、給与が出ない場合は、最長1年6ヶ月間、標準月給の平均を基に1日当たり収入の3分の2が支給される制度があります。
 
さらに出産手当金といって、出産日以前の42日から、出産の翌日以後56日目までの期間に会社を休んだ場合、その期間分は標準月給の平均を基に1日当たり収入の3分の2が支給されます。これらは国民健康保険にはありません。
 

まとめ

パートタイマーの方は厚生年金の対象になった際、保険料の納付額が気になるかもしれませんが、医療と老後の保障が充実していることを忘れてはいけません。むしろ、厚生年金と健康保険に加入する分、民間保険の見直しができる余地も生まれます。まずは、あなたが今回の制度変更により影響を受ける対象なのかどうかを確認しましょう。
 
出典・参考





 
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

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