新型コロナウイルス感染症の影響により、収入を失ったり、減収を余儀なくされたりした方もいらっしゃると思います。
 
特に、会社を経営していらっしゃる方は、家賃や人件費などのランニングコストにお悩みかもしれません。その悩みの1つが生命保険の保険料ということはないでしょうか?
 
今回は、会社名義の生命保険を個人名義に変更する場合についてご説明します。

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会社名義の生命保険を見直す際の疑問

家計においても会社経営においても、手っ取り早く効果が得られそうな見直し項目として、生命保険の保険料が挙げられるかもしれません。しかし、会社名義の生命保険の場合、保険料を払い続けることは難しいが、今解約してしまうのももったいない、と思う方もいらっしゃるかと思います。
 
「保険の名義を個人に変更して、生命保険の契約を続けることはできるのか?」、あるいは「会社を清算することになったが、会社名義の生命保険を個人名義に変更することで、生命保険の契約を続けることができないのか?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

会社名義の生命保険を個人名義に変更する際の手続きと必要な書類

会社名義の生命保険の契約を個人名義に変更することは可能です(ただし、約款に定めがある場合は確認が必要)。会社名義の生命保険の契約を個人名義に変更するにあたり、以下を変更する必要があります。

☆保険料を支払うための銀行口座

会社名義の銀行口座から、個人名義の銀行口座もしくはクレジットカード。

☆保険金受取人

会社名義の生命保険の場合、保険金受取人に会社を指定していることが多いと思いますが、個人名義に変更する場合、受取人は被保険者の2親等以内の親族か配偶者を保険金受取人に指定します。

☆満期金受取人

受取人を会社から新たな契約者である個人、もしくは被保険者に変更します。なお、被保険者は会社の代表者などもともと個人ですから、被保険者の変更はありません。
 
必要な書類は、
・保険会社所定の名義変更請求書
・口座振替依頼書
・会社の印鑑証明書
です。
 
会社を清算した場合、会社名義の生命保険を個人名義に変更するには、上述の他に、清算の事実が記載された登記簿謄本、清算人の印鑑証明書、特別清算の場合は裁判所の許可書、監督委員がいる場合は同意書が必要になります。
 
また、会社の破産後に会社名義から個人名義に変更する場合、破産管財人の資格証明書や管財人の印鑑証明書が必要になります。なお、保険会社や契約の状況によっては、必要な書類が異なる場合もありますので、保険会社に確認してください。

名義の変更に伴う経理処理や税金

経理処理や税金という側面から、会社名義の生命保険を個人名義に変更する場合、会社から個人に「解約返戻金の相当額で譲渡された」という見方になります。そして、譲渡には無償譲渡と有償譲渡とがあります。

■会社名義の生命保険を個人に無償譲渡

会社では、帳簿上、資産に計上していた保険料積立金や配当金積立金を取り崩し、解約返戻金相当額(「解約返戻金+積立配当金」のこと。以下、同じ)を退職金もしくは賞与として支払い、その差額が雑損失または雑収入として計上することになります。
 
なお、会社から個人への名義変更が退職時なら解約返戻金相当額は退職金として、在職中なら賞与として、それぞれ処理します。
 
一方で、生命保険の新たな名義になる個人の方は、名義変更のタイミングが会社の退職と同時ということになると、生命保険契約そのものが退職金として扱われます。ですので、解約返戻金相当額が退職所得として所得税や住民税の課税対象となります。
 
また、会社が存続し、自らも会社に勤め続ける場合、生命保険契約そのものは給与所得という扱いになり、所得税や住民税の課税対象です。

■会社名義の生命保険を個人に有償譲渡

そもそも有償譲渡とは、名義を変更する個人が解約返戻金相当額の現金を会社に払って、「生命保険契約そのものを買い取る」ということです。会社の経理処理は、解約返戻金相当額が現預金として計上されます。個人の方に課税関係は生じません。

まとめに代えて

生命保険契約を個人から個人に名義変更する場合に比べると、会社名義から個人名義に変更する場合のほうが手間が掛かりそうですね。
 
しかし、突然のコロナ禍により、会社の経営が思わしくない状況に陥ってしまうなど、想定外の出来事が起こってしまったかもしれません。契約してから、間もない生命保険契約もあるでしょう。
 
もしかしたら、会社名義の生命保険を見直すことにより、会社のランニングコストを減らすことができるかもしれません。現在、会社名義の保険に加入している方は、一度保険内容を確認してみましょう。
 
(参考)
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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