就労不能保険という保険があります。これは、何らかの理由で働けなくなって収入がなくなったときの保障を提供する保険です。保険には、それぞれ目的があって、その目的によって必要度の高い人とそうでない人がいます。では、就労不能保険への加入を考えるべき人はどういう人でしょうか? それについて解説してみたいと思います。

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就労不能保険とは?

就労不能保険とは、病気やケガで働けなくなったときに、月10万円、20万円という給付金が支払われる保険です。給付金が支払われるためには、働けなくなった理由、働けなくなったときの状態および免責期間が保険契約の条件に当てはまることが必要です。具体的は次のとおりです。
 
1. 働けなくなった理由
通常、病気やケガですが、精神疾患が含まれる保険もあります。
 
2. 働けなくなったときの状態
通常、「就労困難状態」として定義されていますが、次の状態が全て含まれるかどうかは保険によって異なります。
(1)入院
(2)医師の指示で在宅療養した場合(軽い家事や最小限の外出は認められるか)
(3)「国民年金法」に定められた障害状態
 
3. 免責期間
給付金は就労困難状態になってもすぐに支払われるわけではなく、60日間や180日間などの免責期間が定められています。
 

社会保険による保障

就労不能になって収入が途絶えた場合、まず、社会保険が必要な保障を提供してくれます。本来であれば、民間保険である就労不能保険に入らなくても、ある程度の保障があると考えて間違いはありません。以下の表をご覧ください。
 
病気やケガで働けなくなった場合の公的保障の違い

医療保険制度 年金制度 労災保険 会社員 傷病手当金 障害基礎年金(1級・2級)
障害厚生年金(1級〜3級) 療養補償給付
休業補償給付
障害補償給付
介護補償給付 個人事業主 なし 障害基礎年金(1級・2級) 特別加入が条件
療養補償給付
休業補償給付
障害補償給付
介護補償給付

※筆者作成
 
この表を見てお分かりのように、社会保険は会社員に対しては手厚い保障を準備していますが、個人事業主に対しては、必ずしも十分な保障を準備しているとはいえません。
 
(1)傷病手当金
業務外の病気やケガで連続して4日以上会社を休み、適切な報酬が受けられなかった場合、最大1年6ヶ月分、給与(日額)の2/3が1日当たり支給される制度です。会社員に対しては健康保険から支給されますが、個人事業主の加入する国民健康保険には傷病手当金の制度がなく、支給されません。
 
(2)障害基礎年金(1級・2級)・障害厚生年金(1級〜3級)
病気やケガで障害年金の認定を受けた場合に支給されますが、会社員は障害基礎年金と傷害厚生年金の両方が支給される可能性があるのに対し、個人事業主の場合は、国民年金しか加入していないため、障害基礎年金しか支給されません。
 
(3)労災保険
労災保険とは、業務や通勤に起因した病気やケガについての補償を提供します。労災保険は会社員・個人事業主ともにカバーするので差はありません。ただし、個人事業主が加入する場合は特別加入の手続きが必要で、従業員の人数によっては中小企業主として申請しなければならず、複雑なので間違いなく加入する必要があります。
 

まとめ

会社員と個人事業主を比べると、傷病手当金が支給されない点が大きな違いです。傷病手当金の保障条件は就労不能保険よりも充実しているので、会社員の場合は就労不能保険に入らなくてもよいという決断も可能ですが、個人事業主の場合は業務外の病気やケガで働けなくなった場合に備え、就労不能保険への加入を検討したほうがいいということになります。
 
今回は、会社員と個人事業主の制度的な違いにより、民間保険の加入の是非が変わってくる例を取り上げました。民間保険への加入を考える場合は、まず社会保険の保障内容を確認することをお勧めします。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
 

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