うっかり振込先を間違えてしまった経験がある人もいるでしょう。その際、相手がお金を返してくれない場合はどうすればよいのか、気になっている人もいるかもしれません。   本記事ではそのような人に向けて、振込先を間違えてお金を送ってしまった場合、その返金に必要な手続きとその流れ、万が一相手が返金に応じない場合の対処方法について紹介します。

返金のための手続きとその流れ

振込先の金融機関・支店・口座種別・口座番号・口座名義人といった、振り込みをする際に必要な情報に、いずれかに間違いがあれば、お金を振り込むことはできません。
 
そもそも、金融機関の窓口で振り込む場合は、行員が振込依頼書を確認しながら作業を進めるため、間違いは起こりにくいと考えられます。
 
しかし、ATMやインターネットバンキングを利用して自分で振り込み作業を行う場合、間違えてしまった口座が実際に存在していれば、そこに振り込みが実行されてしまいます。
 
もしも振込先を間違えた場合は、「組戻し」という手続きを行う必要があります。これは、金融機関に組戻し手続きの依頼をすることで、その金融機関を通じて間違えた振込先の相手に連絡を取って、所定の手続きによって振込元の口座に振込金を戻してもらう方法です。
 
具体的な流れとしては、まず、依頼人が振り込み手続きをした金融機関(仕向銀行)が、依頼人が振込先として指定した金融機関(被仕向銀行)に、振り込みの取り消しを依頼します。
 
その後、被仕向銀行が受取人に連絡をして、承諾を得られれば仕向銀行に振込金を送り返し、仕向銀行が依頼人に返金するという仕組みです。
 
受取人とすぐに連絡が取れて承諾を得られれば返金までの時間は長くありませんが、連絡が取れない場合や、相手が返金を拒否した場合などは、手元にお金が戻るまでの時間がかかってしまいます。
 

相手が返金を承諾しない場合

組戻し手続きにおいて、多くは返金を承諾してくれるものの、まれに、相手が返金を拒否する可能性も考えられます。そのような場合でも、金融機関から受取人に対して返金するように説得することはできないため、注意が必要です。
 
また、依頼人が受取人とコンタクトを取ろうとしても、個人情報保護の観点から、金融機関から住所や名前を教えてもらうことは難しいでしょう。しかし、泣き寝入りをするのではなく、このように相手が返金を承諾しない場合は、不当利得返還請求訴訟をおこすことができます。
 
誤振り込みによって得たお金は不当な利益であると考えられ、民法第703条の定めによって法律上の返還義務を負うことになります。返還請求金額が140万円以下であれば簡易裁判所、それ以上であれば地方裁判所に訴訟をおこしましょう。
 
なお、訴訟をおこすためには相手の住所や氏名が必要になります。相手の個人情報が分からない場合は、弁護士会照会の制度を利用することで、相手を特定できる可能性があることから、弁護士など専門家に相談するのがよいでしょう。
 

返金を承諾してくれない相手には、不当利得返還請求訴訟をおこそう

振込先を間違えた場合、組戻し手続きで返金作業は進められるものの、手間がかかるため、振り込む前にしっかり確認することが重要です。もしも振込先を間違えた場合でも、通常は組戻し手続きで返金されるケースが多いですが、場合によっては、相手が返金を拒否する可能性もあります。
 
しかし、そのような場合でも泣き寝入りすることなく、不当利得返還請求訴訟によって取り戻すことができる可能性があるため、諦めずに手続きを進めましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部