相談者のプロフィールとお金データ

【田中康介さん(仮名)プロフィール】
・年齢:35歳
・都道府県:神奈川県
・家族構成:妻と2人で暮らす
・職業:会社員(IT系)

【寄せられたお悩み】
「投資についてはまったく経験がありません。しかし、ここ数年周りでもつみたてNISAで投資をしている人も増え、投資信託で積立投資を始めたいと思っています。でも、いざ実際に始めようと思っても、最近の株式市場の“大幅下落”、“年初来安値”といったニュースを見ると、ひるんでしまう自分がいます。『(つみたてNISAを始めるのは)今じゃないのでは!?』と迷っているうちに時間が経過しています。どうしたらいいでしょうか?」

【お悩みの論点】
①つみたてNISAで投資信託による積立投資を始めたい
②昨今、株などの大幅下落のニュースを聞くけれど、積立投資はいつ始めたらいい?

資産状況や収入状況

世帯の金融資産額:1500万円
内訳
預貯金:1500万円

収支
<収入>
・世帯の毎月の手取り収入:45万円
・手取りの年収:540万円

・毎月の支出:45万円

<支出内訳>
住居費12万円、水道光熱費3万円、食費7万円、交通費2万円、通信費3万円、貯金10万円、趣味3万円、交際費2万円、その他3万円

つみたてNISAを活用し、これから積立投資を始めたい田中さん。今年になってから、インフレや国際情勢の影響などで、為替市場や株式市場の動きが不安定になっているのを見ると、どのタイミングで開始するかの判断がしにくく、なかなか踏み切れないお気持ちはよく分かります。

そんな田中さんのために、まずは基本的なつみたてNISAの仕組みや積立投資の考え方と始め方についてご案内します。

30代、時間を味方につけた王道の投資方法を

投資信託は、基準価額(投資信託の値段)が日々変動し、元本割れすることもあります。投資信託の購入で資産形成をするとなると、その始めるタイミングが難しいと考えられるかもしれません。

積立投資は、投資信託を毎月決まった日に一定額購入して投資し続ける方法です。この購入方法によって、「ドル・コスト平均法」にもなり、基準価額が上がっている時では少ない口数で購入する一方、下がっている時は多い口数で購入できます。

※証券会社によっては毎日設定などもありますが、一般的には毎月購入です。

投資信託1万口の基準価額が1万円だった場合、1万円で買えるのは1万口です。もし、基準価額が1万2000円に上がった場合、8333口しか購入できなくなる一方、8000円まで下がった場合は1万2500口購入できることになります。基準価額が上がっても下がっても、定額で(この場合1万円)で毎月購入し続けることになります。

このように、一度にまとまった金額を投資する一括投資と異なり、積立投資は時間的に「購入するタイミング」を分散させることによって、高値での購入をある程度避けることができるようになります。これにより、長期的に右肩上がりの商品に投資し続ければ、運用益で徐々に資産を増やしていくことが可能となります。リスクは抑えながら安定的に資産が増やせる投資方法と言えます。

積立投資の際、検討したいのは「つみたてNISA」

次にどこで積立投資をするのかということです。

検討したいのは、「つみたてNISA」を活用する方法。つみたてNISAは年間40万円の上限まで投資でき、その運用益・分配金についての非課税投資枠があり、20年間、合計800万円投資できます。

つみたてNISAで非課税対象となる金融商品は、低コスト・低リスクで長期・積立・分散に適していると国(金融庁)が定めた投資信託、上場投資信託(ETF)です。したがって、個別株は対象とならず、また、分配金が頻繁に行われる投資信託もその対象外となっています。分配金を受け取らず、運用益を元本に組み込んでさらに運用すると複利効果が期待できますが、積立投資を行う中で、非課税で、長期に運用することで利益が増やせることになります。少額で無理なく積立投資をするにあたって、つみたてNISAは“ぴったり”と言えるでしょう。

つみたてNISAで積立投資を始めるなら早いうちに

長期的な積立投資で時間を味方につけることになり、時間が長ければ長いほど効果は大きくなります。そのため、積立投資を始めるのであれば早めに始めると良いでしょう。その始めるタイミングは“今”とも言えます。長期の運用中、投資信託の基準価額が下がると運用が上手くいっているのかどうしても不安になるかもしれませんが、その際は「多くの口数を購入でき、その後上がった時にその分資産が増える」と前向きに考えることができます。慌てず落ち着いて投資を続けることができます。

このように、少額で、20年間で非課税枠を享受しながら長期的な積み立てによる資産形成も可能となるでしょう。つみたてNISAの枠は月額にして、3万3333円(40万円÷12)です。毎月の貯蓄から投資に回せる見通しがあり、長期にわたって継続ができるのであれば、つみたてNISAで積立投資をしてみてはいかがでしょうか。田中さんだけでなく奥様も始めると、ご夫婦2人分の積立投資ができるでしょう。

大事なのは出口戦略

投資信託は現預金ではない以上、売却して初めて利益が確定し、資産が増やせたことになります。積立投資を続ける中で、いつ売却するかが悩ましいところです。つみたてNISAの投資を始めて20年経つと課税口座に移ります。非課税期間中の利益分には課税はされませんが、課税口座に移ってからの利益については売却すると課税(税率20.315%)されることにもなります。

投資信託を一度にまとめて売却して、その後に値上がりすることもあります。逆に売却を考えている最中に基準価額が暴落することもあり、その後売却しにくくなることもあるでしょう。そういった中で、手堅く運用益を確保したいのであれば、売却時期についても分散させることがより確実な方法ではないでしょうか。

もちろん、将来まとまった資金が必要なライフイベントを控えた際、利益が出ているうちに、ある程度まとめて売却するのも1つの方法です。また、積立投資は長期であればあるほど効果が大きい投資方法ですので、課税口座に移っても引き続き積立投資をしたいのであれば、さらに継続して資産を増やすのもよいでしょう。

以上のことを踏まえ、これから積立投資への一歩を踏み出し、将来「積立投資をしておいてよかった」と言えるようになれれば理想ですね。