金融機関に言ってはいけない! 「NGワード」

第8回()で、資産寿命を延ばすためにも、お金を「使う」「貯める」「守る」「増やす」の4つに分けてそれぞれで管理しましょうとお伝えしました。金融商品は適材適所、目的に合わせて使い分ける必要があるからです。

特に時間を味方につけた、コツコツ積み立てで「増やすお金」については、経済の成長力の恩恵を受けながら投資信託で運用していきます。とはいえ、投資信託も6000本程度ありますので、どんなものを選んでよいか迷ってしまうのも無理はないでしょう。この時、銀行の窓口などで「何か良いものありますか?」と聞くのは禁句です。なぜならば良いものとは、みなさんにとって「良いもの」ではなく、売り手にとっての「良いもの」であることが多いからです。

でも、これだから金融機関は信用できない!! と思うのは早計です。金融機関は商品を販売するのが仕事ですから、それを踏まえて付き合うことが重要です。

では、みなさんにとって「良いもの」とはどういうものでしょうか? それは、「どのような目的」でそのお金を「いつまでに用意したい」か、また市場の動きで価値が変動する商品であれば、みなさんの資産全体において「その商品はどのくらいを占めるのか」なども考える必要があります。つまりは、ご自身で運用の方針を決め、商品を選択する目を養うことが必須なのです。

とはいえ、運用商品を選ぶポイントは知りたいですよね。まず、6000本の選択肢から選ぶのではなくて、「つみたてNISA」で選ばれている投資信託から選びましょう。なぜならば、つみたてNISAは長期での運用に適した低コスト商品をあらかじめ金融庁がセレクトしていますから、いわばみなさんの目的に合った運用商品だからです。

仮につみたてNISAを使わずに、課税口座で投資信託を購入する際も「つみたてNISAに選ばれている投資信託は扱っていますか?」と金融機関に聞きましょう。同様に一般NISAを利用する際も「つみたてNISAに選ばれている投資信託を買いたい」と言いましょう。

課税口座や一般NISAで「つみたてNISA」の投資信託を購入する際は、購入時の手数料がかからないノーロードファンドを選びます。購入の度に3%ほど払うのは、投資に慣れ、ご自身でいろいろ選べるようになってからです。最初は徹底的にコストを意識しましょう。

すると必然的にインデックスファンドになると思います。インデックスファンドとは、その投資先の指数に連動するような運用を目指す投資信託です。例えば日本の株式会社で運用するものであれば、その指数はTOPIXか日経225となります。つまり日本に上場している株式会社の平均的な株価の動きに連動するわけですから、言い換えれば日本の経済そのものに投資をするようなイメージです。

どこが良いかを当てようとせず「世界中に丸ごと」投資

投資においては、投資先を分散し組み合わせる「ポートフォリオ」がとても重要ですが、実際ご自身でポートフォリオを決めるのはなかなか難しいです。また人によっては、どこが儲かるか「当てたい」と言う人もいますが、どこが儲かるかなんてだれも予測ができないのですから、まずは世界中に丸ごと投資をするような「バランスファンド」を選ぶことをお勧めします。

例えば、8資産均等と呼ばれるバランスファンドも検討に値する投資信託の1つです。日本、先進国、新興国の株式と債券、そして不動産に分散投資をするので8資産均等と呼ばれます。不動産に投資するとは、みんなで大家さんになりそこの家賃収入をシェアしようというコンセプトの投資手法です。家賃は株価のように連日値段が変動せず、安定した収入になります。もちろん空室リスクや災害リスクもありますが、株式や債券とは違う特徴を持つため分散投資の効果が期待できるのです。このような商品は、1つ選ぶだけで世界中に投資ができるので、初めての投資信託であれば良い候補商品だと考えます。

つみたてNISAでは、アクティブファンドにも注目を!

つみたてNISAの口座で投資信託を買う場合は、アクティブファンドと呼ばれるものも候補に入れてみましょう。通常アクティブファンドは、3%程度の購入時手数料がかかりますが、つみたてNISAで購入する際は、購入時手数料がかからないというのも有利なポイントです。

またアクティブファンドは、市場平均を上回る運用を目指す投資信託ですが、実際のところ、成績優秀なアクティブファンドを選ぶのは難しいといわれています。しかし、つみたてNISAであれば、金融庁の基準をクリアした、つまり過去の成績がよく長期間にわたり信頼できる運用を継続しているものが選ばれていますから、チェックはしてみましょう。

モーニングスターの「つみたてNISA総合ガイド」というサイトでは、過去のパフォーマンスが良いアクティブ型の投資信託をランキングしていますので、参考になります

ここでもポイントは「世界中に丸ごと投資する」ことですから、S&P500やNYダウといったアメリカだけに限定して投資をするより、「世界中に丸ごと」投資をする投資信託の方が長く持ち続けるには適していると考えます。

iDeCoで運用をする場合も考え方は一緒です。iDeCoではつみたてNISAと同様、購入時手数料がかかりませんから、コストをチェックするのであれば、口座を維持するための運営管理機関のコストがまずはチェックポイントになります。これについてはiDeCoナビを利用すると分かりやすいでしょう。運用商品は前述したとおり、「世界中に丸ごと」投資する投資信託でいいでしょう。

あくまでも最初の一歩としての投資信託の選び方ですが、参考にしていただけますと幸いです。