小久保翔太さん(仮名)は都内のIT企業に勤務する34歳の会社員。同期入社の妻とは昨年、錫婚式(結婚10周年)を迎えたばかりです。双子の息子が小学生となり、2DKの賃貸マンションでは勉強部屋も与えてやれないと、マイホームの購入を検討し始めました。その過程で、今の住まいのすぐ近くに新しい分譲マンションが建設されるという情報を耳にします。売り出される部屋の中には、3LDKで72平方メートルという広さも間取りも理想的な物件がありました。

自己資金が心もとない小久保さんは、販売前の下見会で夫婦合わせて5000万円のローンが組めることが分かり安堵しますが、今度は「これから子供たちの教育費もかかってくる中で、5000万円もの負債を背負って大丈夫なのか」と不安になります。

そこで相談を持ちかけたのが、住宅ローンに精通したある専門家です。専門家の助言で小久保さんは、当初の予定よりも借り入れを少なくし、なおかつ、小久保さん夫妻ならではの有利な条件のローンを組めることを知ります。その結果に満足し、「私たちのような情報弱者こそ専門家をうまく活用すべき」と振り返る小久保さんに、マイホーム購入を決めるまでの一部始終を伺いました。

〈小久保翔太さんプロフィール〉
東京都在住
34歳
男性
会社員
会社員の妻と小学生の息子2人の4人暮らし
金融資産480万円

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私たち夫婦は10年前に結婚してからずっと、都下の2DKの賃貸マンションで暮らしています。しかし、双子の息子たちが小学生になり、生活空間が手狭になったこともあってマイホームの購入を考え始めました。

理想的な物件と出合い、購入に気持ちが傾くも…

今春から休日を利用して家族で物件巡りをしていたのですが、3カ月ほど前に、今の住まいのすぐ近くに大手不動産会社の大規模分譲マンションが建設されることを知りました。完成は1年後で、私たちが希望する3LDK72平方メートルの部屋の販売価格は5200万円です。この間取りなら、息子たちの勉強部屋も確保できそうです。

同期入社の妻とは共働きで、手取り年収は2人合わせて700万円ほどです。これまでは子供たちの保育所やベビーシッター、習い事などの出費がかさみ、正直あまり貯蓄ができていませんでした。しかし、販売前の下見会で試算してもらったところ、妻と別々にローンを組めば合わせて5000万円の借り入れが可能とのことでした。

この物件なら今の住まいと学区が同じなので、子供たちは入学したばかりの小学校を転校する必要がなく、保育所時代から仲良しのお友達と離れ離れにならずに済みます。妻や私にとっても、このエリアの乗り換えなしで通勤でき、会社までドアツードアで40分というアクセスの良さは大きな魅力です。

思いも寄らぬ好条件の物件に出合い、私たち夫婦の気持ちは8割方、いや、9割方購入に傾いているのですが、心配なのは住宅ローンです。私も妻ももともと借金にはネガティブで、銀行のカードローンすら利用したことがありません。それが一気に5000万円もの負債を背負うことになるのですから、迷いがないと言えばうそになります。

そもそも、これから10数年間は息子たちの教育費もそれなりにかかるわけで、わが家のバランスシートを考えたとき、ほとんどストック(資産)のない状態でデット(負債)ばかり大きくなるのもいかがなものかと思います。加えて、海外の利上げなどを背景に住宅ローン金利がじわりじわりと上がってきているのも気になっていました。

それまでの価値観を大きく覆した、ある専門家

そんなとき、妻が「この人に相談してみたら?」と持ち掛けてきたのが、YouTubeで住宅ローンの選び方・組み方などを発信しているファイナンシャルプランナー(FP)の髙田さんです。早速動画を視聴したところ、10分ほどの尺の中でマイホーム購入の際にチェックすべきポイントや住宅ローンの仕組み、ローンを組む際に注意すべきことなどが簡潔に説明され、素人の私にとっても大変分かりやすい内容でした。

「この人ならいいんじゃない。僕も会ってみたいよ」と伝えると、妻は早速髙田さんのウェブサイトから面談の予約を取り付け、翌週にはオフィスに伺うことになりました。髙田さんからは、物件の資料に加えて私たちの源泉徴収票や加入している保険の証書、家計簿なども事前に送っておいてほしいというリクエストがあったようです。

正直、「住宅ローンの相談をするだけなのに、こんなに書類が必要なの?」と閉口しましたが、面談のときにその意味が分かりました。それだけではありません。髙田さんの指摘や提案は、それまでの私たち夫婦の価値観や考え方を大きく覆す、あっと驚く内容だったのです。

●髙田さんがした驚きの提案とは? 続きは後編【】で紹介します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。