1月の資金流入額1位は「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」(62.79億円)
エマージング株式型の1月資金流入額1位は、「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」だった。同ファンドはインドの金融商品取引所に上場している消費関連株式を主要投資対象とし、信託財産の成長を目指すアクティブファンドである。そして、企業分析を重視したボトム・アップ・アプローチを基本として、高収益・高成長が続くと見込まれる銘柄を選択し、ポートフォリオを構築する。インドの株式市場は2020年3月のコロナショック以降から大きく上昇したが、2023年1月は-2.7%のマイナスリターンとなった。2月以降も継続して資金流入が続くかどうかに注目している。
■イーストスプリング・インド消費関連ファンド
基準価額 1万5496円
信託報酬 1.9497%(年率・税込)
純資産残高 399.1億円
<騰落率>
1カ月 -2.7%
3カ月 -15.1%
6カ月 -6.5%
1年 5.7%
※1月末時点
1月のリターン1位は「テーマレバレッジ中国ニューエコノミー2倍」(25.81%)
エマージング株式型の1月リターン1位は、「テーマレバレッジ中国ニューエコノミー2倍」だった。同ファンドは「中国ニューエコノミー」関連株式に信託財産の純資産総額の2倍相当額を投資する。「中国ニューエコノミー」関連株式とは、中国におけるIT(情報技術)と既存産業の融合により生まれる新たな産業や技術の高度化に伴って高付加価値化した産業に関連する株式で、1月末時点における組入上位銘柄は以下の通り。
1.テンセント 12.1%
2.アリババ 11.7%
3.ラックスシェア・プレシジョン 8.3%
4.CATL 8.3%
5.ベイジーン 7.9%
1月は+25.8%と高いリターンになったものの、1年騰落率では-47.1%と大きく下落している。ハイリスク・ハイリターンのファンドなので、積極的にリスクを取れる投資家以外は購入しないほうがいいだろう。
■テーマレバレッジ中国ニューエコノミー2倍
基準価額 2930円
信託報酬 1.4055%(年率・税込)
純資産残高 1.68億円
<騰落率>
1カ月 25.8%
3カ月 69.4%
6カ月 -24.5%
1年 -47.1%
※1月末時点
1月の純資産残高1位は「野村インド株投資」(2450.46億円)
エマージング株式型の1月純資産残高1位は、「野村インド株投資」だった。同ファンドは、インド企業の株式に投資するアクティブファンドである。1月のインド株式市場は米投資調査会社によるインド大手財閥グループの不正会計疑惑を指摘したレポートが発表され、リスク回避の動きが広がったことから下落した。ただ、中長期的に内需の底堅い推移や政治・経済の改革への期待があり、上昇期待は高いと考えている。
■野村インド株投資
基準価額 3万1768円
信託報酬 2.2%(年率・税込)
純資産残高 2450.5億円
<騰落率>
1カ月 -3.5%
3カ月 -12.7%
6カ月 -5.6%
1年 -3.6%
※1月末時点
執筆/山下 耕太郎(金融ライター/証券外務員1種)
一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。
ツイッター@yanta2011