日経平均株価に連動するインデックスファンドが不動の人気

大手銀行(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行・三井住友信託銀行)4月の販売ランキングでは、以下のように日経平均株価に連動するインデックスファンドが目立った。

三菱UFJ銀行
1位 eMAXIS 日経225インデックス
3位 三菱UFJインデックス225オープン

三井住友銀行
2位 三井住友・225オープン

りそな銀行
1位 日経225ノーロードオープン

三井住友信託銀行
3位 My SMT日経225インデックス(ノーロード)

日経平均株価は日本経済新聞社が算出・公表する日本の株式市場を代表する株価指数で、東京証券取引所プライムに上場する約2000銘柄のうち、市場の流動性が高い225銘柄の時価総額加重平均で構成されている。

日経平均株価の構成銘柄は、年に1回(通常10月初旬)、定期的に入れ替えを行う。定期見直しでは、市場の流動性や6つのセクター(テクノロジー、金融、消費、素材、資本財・その他、運輸・公共)のバランスが考慮される。そして、市場流動性が高い銘柄は組み入れ、市場流動性が低い銘柄は除外する。上記のほか、構成銘柄が上場廃止になるなど不測の事態が発生した場合は、一時的に入れ替えを行う。

日経平均株価は、日本の株式市場全体の動きを把握する上で重要な指標である。また、日本経済の景気動向を判断するための指標としてもよく利用されている。

日経平均株価を対象にしたインデックスファンドで純資産残高がもっとも多いのは、「日経225ノーロードオープン」である。同ファンドの基準価額やパフォーマンスは、以下の通り。

■日経225ノーロードオープン
基準価額  2万1067円
純資産残高  2248.60億円

<騰落率>
1カ月 2.87%
3カ月 6.50%
6カ月 5.50%
1年    9.16%

※4月末時点

4月は+2.87%と好調だった。ただ、日経平均株価に連動するインデックスファンドは、株価が上昇する局面で売りが増える傾向がある。4月、同ファンドは約270億円の資金流出となった。これは、国内公募投資信託(ETF除く)の中で最大である。5月は日経平均株価が3万1000円を突破し33年ぶりの高値を更新しているが、5月以降も日経平均株価に連動するインデックスファンドが大手銀行のランキング上位に入るかどうかに注目している。

4月の運用成績ではREIT型が好調

4月の分類別パフォーマンスでは、REIT型ファンドが好調だった。4月のリターン上位は、以下の通り。

1位 REIT・日本 4.9%
2位 REIT・外国 2.4%
3位 国内株式 2.2%
4位 外国株式 2.0%
5位 複合資産 1.3%

米国の銀行破綻に始まった金融システムへの過度な懸念が後退し、REIT市場が上昇したことが主な要因である。REIT型で大手銀行の上位にランクインしているファンドは、以下の通り。

みずほ銀行
8位 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)

りそな銀行
3位 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)
4位 フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)

三井住友信託銀行
2位 J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)

そして、REIT型の4月末時点における純資産残高上位ファンドは以下のようになっている。

1位 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)               6918.34億円
2位 フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) 6589.05億円
3位 J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) 4354.75億円
4位 新光US-REITオープン 4315.96億円
5位 ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) 4208.28億円

REITファンドは、投資家から集めた資金で不動産に投資し、賃料収入や売却益を投資家に分配する金融商品であるREITに複数投資する投資信託である。REITファンドは、投資家が少額からREITに投資でき、手間をかけずに分散投資できるのが特徴だ。5月以降も、REIT型ファンドの好調なパフォーマンスが続くかどうかに注目している。

文/山下 耕太郎