商社株に関心が集まっています。ウォーレン・バフェット氏が五大商社(※)への買い増しに言及し、実際に保有の引き上げが確認されました。著名投資家の買いは材料視され、商社株が値上がりしています。
※五大商社:三井物産、三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、丸紅

ただし、三井物産にはやや出遅れ感があります。買い増し示唆から1ヵ月あまりの株価騰落率は、伊藤忠商事や三菱商事の半分程度です。過熱感が比較的小さいことから、商社株のなかでも三井物産に注目する人もいるでしょう。

 

そこで、今回は三井物産を取り上げます。同社の概要と投資方法を押さえましょう。

鉄鉱石資源で世界的 2期連続の純利益1兆円は大手で唯一

三井物産は総合商社の大手です。他の競合と同じく、投資を通じさまざまな事業を展開しています。

三井物産の強みは金属資源です。特に鉄鉱石で規模が大きく、オーストラリアやブラジル、チリなどで鉱山を開発します。権益の持分に応じた鉄鉱石の生産量は年間6110万トンにも達します(2024年3月期)。

さらに、2025年2月にはオーストラリアで鉄鉱石権益の40%を8000億円で取得すると公表しました。資源量は68億トン、持分に応じた最終的な年間生産量は4000万トンを見込みます。三井物産の鉄鉱石事業は、さらに強化される見通しです。

もっとも、金属資源事業は足元で苦戦しています。2024年3月期は原料炭の市況悪化が重く、セグメント純利益は前期比1000億円の減少となりました。全体でも最終減益で着地しています。

とはいえ、純利益は前期に引き続き1兆円を維持しました。2期連続で純利益が1兆円を超えたのは、五大商社では三井物産だけです。

【三井物産の業績(2024年3月期)】

・収益:13兆3249億円(−6.9%)
・税引き前利益:1兆3024億円(−6.7%)
・純利益:1兆637億円(−5.9%)
※()は前期比

出所:

なお、減益は今期(2025年3月期)も続く見込みです。第3四半期時点で純利益は前期比13.5%減の9200億円を予想します。引き続き金属資源事業が苦戦するほか、エネルギー事業でも減益を見込みます。

株式はNISAでも買える 「簡易開設」の注意点とは

三井物産へ投資するなら証券会社で口座を開設しましょう。株式は証券会社を通じて購入できます。

株式には新NISAでも投資可能です。NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、株式には後者で投資できます。株式投資の利益は通常、約2割の税金が生じますが、NISAを通じた投資なら非課税です。

ネット証券の多くは通常の口座(証券総合口座)と同時にNISA口座も申し込めます。また2019年からは「簡易開設制度」が始まっており、対応する証券会社なら税務署の審査前でもNISAで投資できます。

簡易開設制度では、税務署の審査前は仮開設の状態です。仮開設の状態で商品を購入したあと、二重開設などから税務署でNISA開設が否決された場合、購入した商品は課税口座へ払い出されます。

このとき、特定口座ではなく一般口座へ払い出される点に注意しましょう。特定口座は税務上の手続きを証券会社が代行しますが、一般口座にこの仕組みはありません。損益は自ら計算し、利益がある場合は原則として確定申告が必要です。

五大商社への投資なら商社ETFが有望 株主還元テーマファンドも

三井物産への投資は投資信託でも可能です。特に商社株へまとめて投資したいなら、「NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX−17)上場投信」が選択肢となります。卸売業にまとめて投資する銘柄で、組み入れの上位は総合商社で占められています。

【NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX−17)上場投信の組入上位5銘柄】

・三菱商事:19.6%
・伊藤忠商事:19.1%
・三井物産:17.5%
・住友商事:8.6%
・丸紅:8.2%
※2025年2月末時点

出所:

アクティブ型なら「ニッセイ日本勝ち組ファンド(3ヵ月決算型)」でも組み入れが上位です。同銘柄は、各業界で売上高トップクラスの企業30銘柄へ、原則として均等に投資します。三井物産は資源ビジネスの優位性が評価され、ポートフォリオの一部を占めています。

三井物産は、株主還元をテーマに持つ投資信託でも組み入れが確認できます。「利益還元成長株オープン」は成長性と株主還元に期待できる企業へ、「日本好配当株投信」は配当利回りの高い企業へ投資します。三井物産の予想配当利回りは3.4%(※)と比較的高いことから、上位に組み入れられていると考えられます。
※2025年3月期。2025年3月25日終値

【三井物産を組み入れる投資信託の例】

 

※2025年2月末時点

出所:各銘柄の月次レポート 

資源の影響大きい 市況の把握と分散投資が大切

三井物産は総合商社のなかでも資源事業の比重が大きめです。したがって、業績は資源市況の影響を比較的強く受けます。投資する場合、金属やエネルギー資源の価格も把握しておきたいところです。これらは主に海外で先物が上場しており、一定の参考になります。

また、分散投資も心がけましょう。投資信託なら複数の銘柄で運用されるため、1本で分散投資が可能です。ただし、三井物産への配分が減少することには注意が必要です。