人材紹介会社のワークポートが、ビジネスパーソンのマネーリテラシーについてアンケート調査を実施しました。サンプル数が全国の262人なので、全体像を示し切れているとは言えませんが、一つの参考までに見てみましょう。

ビジネスパーソンの6割はお金の知識に自信なし

262人は20代から40代までの男女です。今回の調査対象者全員に「自分のお金の知識に自信があるか」を聞いたところ、

あまりない・・・・・・46.9%
まあまあある・・・・・・32.8%
まったくない・・・・・・13.7%
とてもある・・・・・・6.5%

となりました。「あまりない」と「まったくない」を合わせると、60.6%の人がマネーリテラリーについて自信がないという結果が出ています。

同じく対象者全員に「お金について日々情報収集をしているか」を聞いたところ、

いいえ・・・・・・53.8%
はい・・・・・・46.2% 

となりました。情報収集していない理由については、「興味がない」、「不要」、「難しそう」、「どんな情報を、どのように収集するべきなのかがわからない」、「時間がとれない」、「情報が多くて判断ができない」という理由のほか、「運用できるほどの収入がないため、お金の知識を身につけても仕方ない」という答えもありました。

逆に情報収集している人に、情報源を聞いたところ、新聞、テレビ、書籍、インターネットでYouTubeやSNSを挙げる人も多かったそうです。

そして、「これまで体系的にお金の知識を学ぶ機会があったか」と聞いたところ、

なかった・・・・・・75.6%
あった・・・・・・24.4%

となりました。学ぶ機会があったという人に、どこで学んだのかを聞いたところ、「大学」や「専門学校」の他、「職場」、「資格取得のための講座・セミナー」、「オンラインサロン」といった回答が目立ったそうです。

また、「お金の知識をもっと身につけたいか」については、

はい・・・・・・83.6%
いいえ・・・・・・16.4%

となりました。上記の設問に対して「はい」と答えた人にその理由を聞いたところ、「給料だけでは生活していけないほど生活が苦しいから」、「老後が心配だから」、「お金を持つことによって選択肢が増えるから」、「お金の知識がないと損することもあるため」という回答があったということです。

以上がこのアンケートの主な設問と、その回答ですが、マネーリテラシーに対して自信を持てない人が過半数いて、かつ8割以上の人がお金の知識を身につけたいと思っているにも関わらず、7割以上の人がお金について体系的に学んだことがなく、「難しそう」、「どんな情報を、どのように収集するべきなのかがわからない」、「情報が多くて判断ができない」という理由から、お金に関する情報収集をしていない人が過半数を占めている、という実態が浮かんできます。

自信がないのは資産形成につながる投資の知識?

ところで、ひとことで「マネーリテラシー」といっても、中身はかなり幅広なものになります。家計の収支管理から始まり、資産形成、保険、税金の他、金融市場や経済全般に関する知識も、広義のマネーリテラシーに含まれると考えられます。

ただ、恐らくここで多くの人が「マネーリテラシーに自信がない」と言っているのは、なかでも資産形成の部分ではないでしょうか。

家計の収支管理は、収入に比べて支出を減らせば良いだけという当たり前すぎる話ですし、税金については、自営業で確定申告をしている人は、ある程度の知識を持たなければなりませんが、会社勤めの人は月々の給料から源泉徴収されているので、節税の余地は限られています。

「お金の知識を身につけたい」と答えた人が8割以上いて、その理由から察するに、恐らく多くの人が自信を持てずにいるマネーリテラシーは、金融市場や経済全般に関する知識を含めた資産形成に関する部分と思われます。

「給料だけでは生活していけないほど生活が苦しい」、あるいは「老後が心配だから」という悩みは、収入が増えれば解決する問題です。

とはいえ、会社勤めをしている限り、副業で収入を増やすには限界があります。そうなると誰もが考えるのは、投資を中心とした資産形成でしょう。少なくとも、この超低金利下において預貯金で資産形成しようと思っても、収入増と節約で生み出した余剰資金の範囲での積み上げにしかならないので、本気で「殖やそう」と考えるなら、マーケットの力を借りるしかありません。つまり「投資」です。

しかし、投資をするためには、金融市場や経済全般に関する知識が必要になりますし、株式や投資信託など投資商品の仕組みも勉強しなければなりません。勉強しなければならないことが山積みで、だからこそ「難しそう」、「どんな情報を、どのように収集するべきなのかがわからない」、「情報が多くて判断ができない」という理由から、お金に関する情報収集をしていない人が過半数を占めていると考えられます。

投資を実践するのがマネーリテラシー向上の近道

こうしたハードルを越えてマネーリテラシーを身につけるにはどうすれば良いのでしょうか。

それは、とりもなおさず始めてみることです。

ちょっと前のデータで恐縮ですが、2016年2月に金融庁が公表した「国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査」で、投資未経験者1135人を対象にして、「投資を行わない理由」を聞いたところ、次のような結果が出てきました。

まとまった資金がないから・・・・・・73.2%
投資の知識がないから・・・・・・47.1%
投資は損をしそうで怖いから・・・・・・37.8%
どのように購入していいか分からないから・・・・・・36.7%
取引を行う時間的ゆとりがないから・・・・・・29.7%

でも、これらはもはや投資を始めない理由にはなりません。まとまった資金が無くても、最近では少額投資のツールがたくさんありますし、少額資金で投資を始めれば、仮に損をしたとしても、損失額を小さく抑えることが出来ます。

デイトレーダーのように頻繁に売買しなければ、ちょっとした隙間時間で投資は出来ます。

ひとまず、どこでも良いのでオンライン証券会社に口座を開いてしまえば、投資するための手段はたくさん用意されています。そのなかでも、とりあえず日本株を組み入れて運用する投資信託を1本、米国株を組み入れて運用する投資信託を1本買いましょう。金額は最低購入金額でもいいのです。

そして、それぞれの基準価額の値動きを時々、チェックするのです。毎日見る必要はありません。週末、あるいは月末だけでも良いでしょう。当然、基準価額は変動していますから、チェックする度に「儲かった」、あるいは「損した」ことが分かります。

それが分かったら、あとはなぜ儲かったのか、損したのかを考えましょう。それを半年も続ければ、マネーリテラシーは十分に身につくはずです。投資の知識をはじめとするマネーリテラシーを身につけてから投資を始めようと考えている人は、恐らくなかなか実践に踏み切れないでしょう。なぜなら、ひとつずつ学ぼうとしたらきりがないからです。

投資は若いうちから始めるに越したことはありません。勉強しているうちに、いたずらに歳を取って時間切れになってしまっては取り返しがつきません。まずは何かに投資してみる。そこから学べば良いのです。