中国政府と金融当局は先月、暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)を禁止する方針を示した。6月中旬に中国工商銀行や農業銀行、建設銀行など国営大手5行やアリペイ網絡技術有限公司などオンライン決済大手の関係者を召集し、ビットコインなど仮想通貨の取引や使用を避けるよう指示した。これを受け、農業銀行は21日午後、いち早く仮想通貨の取引中止を発表した。

また、内モンゴルや青海省に続き、四川省でもマイニング業者の廃業が相次いでいる。マイニング業者による採掘機器の投売りや海外への移転は進められている。中国のマイニング事業は世界の5割を占めているという背景もあり、中国政府の禁止を受け、ビットコインなど仮想通貨の価格は急落する場面を示した。

中国政府は、仮想通貨のマイニングを禁止する理由について、仮想通貨による違法な資産取引が経済の秩序を乱し、マネーロンダリング(資金洗浄)を助長すると説明した。ただ、市場関係者は、中国政府がデジタル人民元との競合を避けることが目的で、同時に大量の電力消費による環境破壊の進行を食い止めるためだとみている。

一部では、中国政府の禁止について、悲観する必要はないとの見方も出ている。中国政府によるビットコインなど仮想通貨の規制は今回が初めてではないと指摘。ビットコインなど暗号資産の保有は中国で完全に禁止されていないと強調された。また、採掘業者の中国脱出について、短期的には暗号資産市場を混乱させるものの、中国に集中するというこれまでの体制を打破し、分散化が進むため、長期的にはビットコインネットワークの健全性を強めるとの見方も出ている。さらに、中国からのマイナー脱出は、環境にやさしいマイニング業界への転換のきっかけになるとも期待されている。