日経平均は3日ぶり反発。199.17円高の21232.93円(出来高概算4億9000万株)で前場の取引を終えている。

 28日の米株式市場でNYダウは91ドル高と反発。米中の閣僚級協議が再開されたが、一部報道を受けて協議進展への期待が高まった。また、長期金利の上昇を受けて金融株も買われた。為替相場は1ドル=110円台後半と前日より円安方向に振れており、本日の日経平均は米株高や円安を好感し194円高からスタート。寄り付き直後には一時21267.25円(233.49円高)まで上昇した。上値では利益確定の売りが出て伸び悩む場面もあったが、中国などアジア株の堅調推移を受けて前引けにかけて強含んだ。東証1部の値上がり銘柄は全体の5割強となっている。

 個別では、第一三共<4568>が急伸しストップ高。英製薬大手とのがん治療薬での提携を発表している。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>や楽天<4755>が堅調で、ZOZO<3092>やトヨタ自<7203>は小幅に上昇。楽天は出資先である米配車サービス大手リフトの新規株主公開(IPO)で公開価格が決定した。安川電<6506>やダイキン工<6367>といった中国関連とされる銘柄も上げが目立った。個別材料を手掛かりとした中小型株物色が活発で、ワイヤレスG<9419>やイマジカG<6879>が第一三共とともに上昇率上位に顔を出した。一方、任天堂<7974>、キーエンス<6861>、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>などが小安い。SUBARU<7270>は2%超安と下げが目立った。また、「MBO(経営陣が参加する買収)を実施しない方針」と報じられたワタベ<4696>などが東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、鉱業、医薬品、海運業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。電気・ガス業、鉄鋼、石油・石炭製品の3業種のみ下落した。

 日経平均は前日に344円安と大幅続落していただけに、米株高や円安を受けて反発すると、朝方には上げ幅を233円高まで広げる場面があった。ただ、寄り付き直後を高値に伸び悩む場面があり、ここまでの東証1部売買代金も概算で8500億円にとどまるなど、ギャップアップスタート後は積極的な売買が手控えられていることが窺える。英国の欧州連合(EU)離脱を巡っては、英政府が離脱協定案を29日の議会下院で採決することを決めた。メイ英首相は自身の辞任を約束し支持を求めるが、議会承認が得られるかはなお見通せない。合意期待が高まっている米中協議についても、結果を見極めたいとの思惑が徐々に強まるだろう。後場の日経平均はプラス圏でこう着感を強める可能性がある。

 新興市場では週末とあって利益確定売りが出やすく、マザーズ指数は続落して前場の取引を終えた。しかし、本日上場したWelby<4438>やエードット<7063>は買い殺到でまだ初値を付けておらず、前日上場の日本ホスピス<7061>などは大幅高となっている。IPO銘柄を中心に個人投資家の物色意欲は引き続き旺盛だ。
(小林大純)