日経平均は大幅反落。461.08円安の23114.64円(出来高概算7億9000万株)で前場の取引を終えている。

 7日の米株式市場でNYダウは反落し、119ドル安となった。米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害を受け、イランが米国への報復を示唆。中東情勢悪化への警戒感が相場の重しとなった。また、朝方にはイランが弾道ミサイルで駐イラク米軍基地を攻撃したことが伝わり、本日の日経平均は358円安からスタート。原油先物相場が急伸し、円相場が一時1ドル=107円台後半まで上昇するとともに、日経平均は22951.18円(624.54円安)まで下落する場面があった。ただ、前場中ごろを過ぎるとやや下げ渋り、23100円近辺まで戻して前場を折り返した。東証1部の値下がり銘柄は全体の9割超と全面安の展開になっている。

 個別では、ソフトバンクG<9984>や日立<6501>が2%超、村田製<6981>が3%超下落しているほか、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>などその他売買代金上位も全般軟調。ただ、前日賑わったソニー<6758>は本日も小幅安にとどまっている。一昨日と同様に海運株が大きく売られ、川崎船<9107>は6%近い下落。また、堅調な決算ながら材料出尽くし感が広がったネクステージ<3186>は東証1部下落率トップとなっている。一方、売買代金上位ではNEC<6701>が逆行高。原油高を受けて国際帝石<1605>や石油資源<1662>も買われた。また、防衛関連の石川製<6208>や豊和工<6203>はストップ高を付けた。セクターでは、海運業、ガラス・土石製品、精密機器などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは鉱業のみだった。

 イランによる駐イラク米軍基地攻撃を受けて中東情勢を巡る緊張が一気に高まり、本日の日経平均は一時600円超下落し、節目の23000円を取引時間中としてはおよそ1カ月半ぶりに割り込む場面があった。ただ、前場中ごろを過ぎると株安・円高とも一服しつつある。米軍は被害状況を確認中だが、現時点で死者は出ていないもようで、トランプ米大統領は予定していた演説を取り止めたとの情報がある。また、イラン側も米国が報復しなければ更なる攻撃を取り止めるとの考えを示しているようだ。いずれも未確認の情報だが、「ここまで状況はまだ米イラン双方のコントロール下にある」との見方が短期筋の買い戻しにつながっているものとみられる。

 しかし、日経平均は大発会から大幅な下落と上昇を繰り返しており、中東での偶発的な衝突発生や世界的なテロ拡散などのリスクを考慮しても、積極的な買いは入れづらいところだろう。新興市場でもマザーズ指数が一時3%超の下落。一般的に外部環境の影響を受けにくいとされる中小型株だが、やはり個人投資家は地政学リスクに敏感だ。当面は関連ニュースに大きく振らされる、神経質な相場展開が続きそうだ。なお、本日はABCマート<2670>やウエルシアHD<3141>の決算、米国では2019年12月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポートなどの発表が予定されている。
(小林大純)