日経平均は続落。78.51円安の23126.92円(出来高概算5億3198万株)で前場の取引を終えている。

 前週末4日の米国株式相場は続落。ダウ平均は159.42ドル安の28133.31ドル、ナスダックは144.97ポイント安の11313.13ポイントで取引を終了した。8月雇用統計が予想を上回り寄り付き直後上昇した。しかし、ペンス副大統領がパンデミック救済策の合意なくとも政府機関閉鎖は回避することで民主党と政府は合意したとすると期待感が後退し下落に転じた。さらに、ハイテク株の下げが加速すると、安値を試す展開となった。しかしその後、下落の行き過ぎ感を受けた押し目買いに下げ止まり、引けにかけては下げ幅を縮小する荒い展開となった。

 米国株安を受けた今日の東京株式市場はやや売りが先行したが、8月雇用統計が予想を上回ったことを受け、東京市場でも景気敏感株などに資金が向かい、日経平均はプラスに転じる場面もあった。しかし、今晩の米国市場がレイバーデーの祝日で休場となるため、海外勢の動向に対する不透明感から積極的な買いは手控えられ、引けにかけてやや軟調な動きとなった。

 個別では、21年1月期連結営業損益を従来予想の10.00億円の赤字から4.00億円の黒字に上昇修正したクロスプラス<3320>、抗菌・抗ウイルス糸の研究開発開始が材料視された北日本紡績<3409>がストップ高買い気配となり、日本経済新聞で経営統合に向けた案が浮上していると報じられた青森銀行<8342>、みちのく銀行<8350>、21年3月期業績予想を上方修正したジオスター<5282>、日本経済新聞で「協働ロボット」の月間生産台数を21年中に現在の3倍に引き上げると報じられたファナック<6954>が上げた。

 一方、米ハイテク株のデリバティブ取引が報じられこのところのハイテク株下落でパフォーマンス悪化が警戒されたソフトバンクG<9984>が下げ、21年7月期連結営業利益が前期比29.4%減予想と発表したアイル<3854>、今期増益率鈍化見通しなどで出尽くし感が優勢になったティーライフ<3172>が20%前後の大幅安となり、21年1月期上半期(中間期)連結営業利益が前年同期比20.8%減となったポールHD<3657>、20年10月期業績予想を下方修正したカナモト<9678>が安くなった。

 セクターでは、鉄鋼、空運業、非鉄金属、その他金融業、海運業などが上昇率上位。一方、情報・通信業、建設業、食料品、その他製品、小売業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の58%、対して値下がり銘柄は37%となっている。

 先週末の米国株式相場は続落した。市場では本格的な調整局面入りを指摘する向きもあるが、どうだろうか。株価を見ているだけでは分かりにくい。そこで、株式市場以外の金融資産の動きを見てみる。

 今回は金(ゴールド)。金は経済や市場に対する警戒感が高まる場面で資金が向かいやすい「安全資産」としての側面を持つ。先週末のように株価急落場面では金が買われる傾向が強い。ところが、先週末、金は株価急落に対しほとんど無反応といってもよい値動きだった。大阪取引所の金先物(21年8月限)は、株価急落前の9月2日の日中取引で1グラム6621円だった。本日午前は6630円台と株価急落前とほぼ同水準。株価急落を警戒する動きは乏しいようだ。

 再び株式市場内に視線を移してみる。「恐怖指数」とも言われるVIX指数。少し細かいが詳しく見ると、ダウ平均が一時1000ドルを超す下げとなった3日のVIX指数は前日比7.03pt高の33.60pt、翌4日には一時38.28まで上昇したものの、結局前日比2.85pt安の30.75ptで取引を終えた。4日の米国株式相場は続落したのだが、警戒感は早くも後退し始めたようにも見える。VIX指数の日本版とも言える日経VIはどうか。米株価急落を受けた4日には前日比2.68pt高の25.13と上昇したものの、安倍首相の辞任報道を受け日経平均が急落した先月28日の水準は上回らなかった。今日の午前は23pt台に低下している。警戒感は後退しているようだ。

 金価格に表れているように、株式市場の外では株価下落に対する警戒感は思うほど高まっていない。また、VIXや日経VIの推移をみると、株式市場内でも警戒感は早くも後退しているようにも見える。こうした動きを見る限りにおいては、今回の相場下落は投資環境などの構造的な変化を映した本格的な調整相場入りではなく、株価上昇局面でのスピード調整と見る方が的確なのかもしれない。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。今日はレイバーデーの祝日で米国市場が休場となる。東京市場はレイバーデー明け後の海外勢の動向に対する不透明感から積極的な売買は手控えられそうだ。