日経平均は反発。334.79円高の29513.59円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。

 3月31日の米株式市場でNYダウは続落し、85ドル安となった。月末・四半期末とあって利益確定の売りが目立ったほか、増税や債務拡大への懸念から上値は抑えられ、引けにかけて下落に転じた。一方、ハイテクは売られ過ぎとの見方から買いが再燃し、ナスダック総合指数は1.5%の上昇。また、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.6%の上昇となった。本日の東京市場でも値がさ株を中心に買いが先行し、日経平均は263円高からスタートすると上げ幅を拡大。前場中ごろには29585.46円(406.66円高)まで上昇する場面があった。

 個別では、米ハイテク株高を受けてソフトバンクG<9984>が3%近く上昇。東エレク<8035>、レーザーテック<6920>、エムスリー<2413>は4%前後の上昇となっている。米社が半導体のキオクシアホールディングス買収を検討しているとの報道で東芝<6502>が5%超の上昇。大規模な自社株買い実施を発表した第一生命HD<8750>は10%近く上昇している。その他、売買代金上位では任天堂<7974>やソニー<6758>が堅調。また、フィルカンパニー<3267>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、トヨタ自<7203>や日立<6501>は軟調。決算発表のニトリHD<9843>はサプライズなしとの見方から売りがかさみ、H2Oリテイル<8242>は大阪府に「蔓延防止等重点措置」が適用される見込みから大きく下落。また、藤コンポ<5121>などが東証1部下落率上位に顔を出している。

 セクターでは、保険業、精密機器、電気機器などが上昇率上位。半面、鉄鋼、空運業、電気・ガス業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の54%、対して値下がり銘柄は42%となっている。

 名実ともに新年度相場入りした本日の日経平均は、値がさ株をけん引役に堅調な展開となっている。ソフトバンクG、東エレク、ファナック<6954>の3銘柄で日経平均を約176円押し上げている。とはいえ、それ以外の売買代金上位の主力株も全般に堅調な印象で、前引け時点で日経平均が+1.15%だったのに対し、東証株価指数(TOPIX)も+0.62%となっている。バイデン米政権の積極的な財政政策を背景に米経済の先行きへの期待は根強く、日本でも日銀が今朝がた発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で景況感の改善が確認され、さすがに売り一辺倒とはなりにくいだろう。半導体業界に見られるような再編観測、それに第一生命HDの自社株買いなど株主還元策もポジティブな印象だ。

 しかし、米国では政府債務の増大、法人増税などへの懸念もあり、景気回復期待と綱引きする格好で前日の米国株はまちまちとなった。バイデン米大統領は連邦法人税率を21%から28%に引き上げることを提案した。また、前日の先物手口を見るとBofA証券のTOPIX先物売り越しが継続しており、東京市場でも株式需給が期待どおり好転していくかなお見極める必要があるだろう。日経平均の日足チャートを見ると、本日は3月29日の取引時間中に付けた高値(29578.37円)を若干上回る場面があったものの、まだ足元のもち合いレンジを明確に抜き出た感はない。

 また、新興市場ではマザーズ指数が+2.34%で前場を折り返している。前日はマザーズ売買代金が1378億円と低迷するなかで続伸しており、目先の売りが一服したとの見方はできそうだ。ただ、主力株が当面上値の重い展開になることを見越し、新興株に個人投資家の物色が向き始めたのかもしれない。初値後の下落がきつかった直近IPO(新規株式公開)銘柄の一角も反発しており、個人投資家の資金回転が改善してくるか注目したい。
(小林大純)