日経平均は反落。172.25円安の28611.03円(出来高概算3億9696万株)で前場の取引を終えている。

 前週末2日の米株式市場でNYダウは152ドル高(+0.44%)と4日続伸。6月の雇用統計で非農業部門雇用者数は85万人増と市場予想(70万人程度の増加)よりも大きく増加したが、失業率が5.9%と前月(5.8%)よりも悪化したことや、賃金の伸びが前月比では減速した。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を即座に縮小させるほどの内容ではないとの見解から相場を押し上げた。また、長期金利が1.43%へと一段と低下したことで、アマゾンやアップル、マイクロソフトといった大型ハイテク株が大幅高。ナスダック総合指数およびS&P500種株価指数は揃って史上最高値を更新した。

 しかし、週明けの日経平均は73.71円安の28709.57円でスタートすると、午前10時前には28581.08円と下げ幅を200円超までに拡げた。前週末に既に売り方の買い戻しが入っていたことや、対ドルでの円安進展に一服感が見られていたことが背景とみられる。日経平均はその後は下げ渋ったが、軟調な展開が続き、前引け間際には再度下げ幅を拡げる動きもみられた。

 個別では、3-5月期の営業利益が市場予想を下回り、通期計画の未達懸念が高まった良品計画<7453>が大幅に下落。上半期決算は計画を上回ったものの出尽くし感が先行したエスプール<2471>も急落。そのほか、6月の既存店売上が一昨年比ではプラスとなったもののポジティブな反応は限定的となったファーストリテ<9983>も下げ幅を拡げた。ソフトバンクG<9984>は、中国の規制当局が配車アプリ最大手ディディに対して、個人情報の収集等に関して重大な違反を確認したと発表したことで、ビジョンファンドの含み益減少への警戒感が高まり5%程の急落。

 一方、第1四半期の営業利益が上期および通期計画をも上回ったTSI HD<3608>、前期実績が計画を上振れ、今期見通しや中計が好感されたミタチ産業<3321>がそれぞれ急伸し、値上がり率上位にランクイン。前期業績の上振れ着地や中計などが評価されたアスクル<2678>も大幅に上昇した。

 売買代金上位では、ソフトバンクG、ファーストリテ、ソニーG<6758>、トヨタ<7203>、三菱UFJ<8306>、エーザイ<4523>、良品計画、三菱電機<6503>、武田薬<4502>、日本製鉄<5401>などが軟調。一方、レーザーテック<6920>、任天堂<7974>、日本郵船<9101>、村田製作所<6981>、日立<6501>、富士通<6702>などが堅調。

 セクターでは鉄鋼、鉱業、情報・通信業などが下落率上位に並んでいる一方、海運業、空運業、不動産業などが上昇率上位に並んでいる。東証1部の値下がり銘柄は全体の54%、値上がり銘柄は39%となっている。

 週明けの東京市場は想定以上の軟調な展開。前引け時点での東証1部の売買高も3億株台と稀に見る低調ぶりで、他の先進国の株式市場と比較した際の東京市場の弱さが改めて目立つ。米雇用統計は景気回復を裏付けながらも、FRBの金融緩和長期化を示唆するという一番良いと言ってもよい結果となり、米国の主要株価3指数も揃って上昇した。特に、GAFAMと呼ばれる大型ハイテク株が大幅高を演じ、ナスダックやS&P500が連日の最高値を更新しているにもかかわらず、東京エレクトロン<8035>は前週末終値とほぼ同水準、日本電産<6594>やエムスリー<2413>などグロース(成長)株の代表格でも冴えないものが目立つ。

 もちろん、目を凝らせば、レーザーテック、村田製作所、イビデン<4062>などハイテク関連で大きく上昇しているところもある。加えて、日経平均については、指数インパクトの大きいソフトバンクGやファーストリテが固有要因で大きく下げていることもあるが、TOPIX(東証株価指数)も冴えない。前週、一時出尽くし感で利益確定売りが嵩んだ海運などが再び強い動きを見せているが、それ以外は総じて軟調。

 日本独自の株高材料が見当たらないなか、五輪開催前後の新型コロナ感染第5波など、日本特有の重し材料があるために上値が重いと言われて久しいが、本日の業種別騰落率ランキングでは、上昇率上位に海運業以外では、空運業、不動産業、陸運業などコロナのダメージが大きい業種が並んでおり、なんとも、ちぐはぐな印象が否めない。

 前週は、商品投資顧問(CTA)など短期筋を中心としたヘッジファンドが先物で大きく売り越し基調を見せていた。週末には雇用統計前に一部売り方の買い戻しが入っていたため、ポジティブな雇用統計の結果と米株高を支えに、週明けも買い戻しが入るかとみられたが、期待外れ。直近の数カ月、海外勢は先物での売り越し基調が目立っていたため、足元でネットロングが積み上がっているとは思えない。そのため一段の売り越しは想定しにくいが、週明けの軟調ぶりを見る限り、買い戻しも当面期待できなさそうだ。

 また、今週は週末にかけて上場投資信託(ETF)の分配金捻出のための換金売りが集中する。全体で8000億円規模の売りが想定されており、週後半には需給面での悪化も重なるとなると、今週も指数の軟調さは避けられないだろう。

 前週から小売り企業の決算が始まっており、今月下旬からはいよいよ製造業の4-6月期決算が始まるわけだが、ここでインパクトのある決算が多く出ない限り、日本株の強い動きが復活することはないだろう。そうした意味でも、週末に予定されている安川電機<6506>の決算への注目度は高い。前四半期決算の際には“安川電機ショック”などと言われる現象が起き、そこからガイダンスリスクが意識された。それだけに、今回の安川電機の決算が来週以降の相場の機運を左右しそうで、これを見極めたいとの思惑も今週の買い手控えムードを強めそうだ。

 全体のこう着感が強まるなか、決算を受けた個別株物色や値動きの軽い直近IPO銘柄への物色などが活発となりそうだ。