日経平均は3日ぶり大幅反発。396.45円高の29188.16円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。

 東京市場が年末年始に休場だった間、米市場ではNYダウが12月30日に90ドル安、31日に59ドル安となったものの、年明け1月3日には246ドル高となり過去最高値を更新した。新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」の感染拡大が続く一方、「流行は短期で収束する」との専門家の見解を受けて、景気回復への期待が相場を押し上げた。電気自動車のテスラが急騰したほか、半導体関連株も揃って堅調で、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は+1.20%と5日ぶりに反発。休場明けの東京市場でも米株高を受けて投資家心理が上向き、日経平均は306円高からスタートすると、その後も上げ幅を広げる展開となった。前場中ごろを過ぎると一時29253.78円(462.07円高)まで上昇し、取引時間中としては昨年11月26日以来の高値を付ける場面があった。

 個別では、トヨタ自<7203>や東エレク<8035>に加え、郵船<9101>、川崎船<9107>、商船三井<9104>といった海運株が大きく上昇。トヨタ自は2025年をメドに独自の車載用基盤ソフトを実用化すると報じられている。東エレクは米半導体株高の流れを引き継ぎ、取引時間中の上場来高値を更新した。その他売買代金上位もソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>など全般堅調。また、一部証券会社の目標株価引き上げが観測されたラクーンHD<3031>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、売買代金トップのレーザーテック<6920>は利益確定売りが出て朝高後に反落。新型コロナ感染拡大が警戒されてOLC<4661>も軟調で、昨年末にかけて急落したレノバ<9519>は再び売りがかさんでいる。また、レノバとともに三井松島HD<1518>などが東証1部下落率上位に顔を出している。

 セクターでは、海運業、輸送用機器、非鉄金属などが上昇率上位で、その他も全般堅調。下落したのはパルプ・紙のみだった。東証1部の値上がり銘柄は全体の64%、対して値下がり銘柄は32%となっている。

 名実ともに新年相場入りした本日の日経平均は400円近い上昇で前場を折り返した。日足チャートを見ると、上昇する5日移動平均線が下値を支える形となり、昨年12月に上値抵抗線として意識されていた75日移動平均線を上抜け。値動き良化を受けて短期筋の買いが入っている可能性もありそうだ。売買代金上位を見ても、時価総額トップのトヨタ自や昨年の好パフォーマーである半導体関連株、海運株が大きく上昇しており、2022年相場の先行きに期待を持たせる動きとなっている。

 もっとも、東証1部の値上がり銘柄数は6割強で、日経平均や東証株価指数(TOPIX、+1.27%)の上げ幅が大きい割にやや少ない印象を受ける。規模別指数を見ると大型株が特に堅調で、個人投資家の物色も半導体関連や海運といった主力大型株に向いている可能性がありそうだ。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまり。さすがに昨年末より増えているが、さほど大きく膨らんでいるわけでもない。

 新興市場ではマザーズ指数が-1.20%と続落。局所的に賑わっている銘柄も限られ、昨年12月に上場したばかりの直近IPO(新規株式公開)銘柄の一角は下げがきつい。こうしたマザーズの動向も「主力大型株先行」という見方を裏付けるものだろう。

 このように、日経平均や主力大型株を見ると好調な出足という印象が強いが、マザーズを中心とした中小型株まで見渡すとまちまちといったところか。年末にかけて取引を手控えていた機関投資家の買いが入っている可能性がある一方、個人投資家は中小型株から主力大型株への物色シフトにとどまっている感がある。

 やはり年明け好発進となった米株も、重要な経済指標の発表やイベントが相次ぐ本日からが本番かもしれない。特に注目されているのが5日公表される昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録。12月のFOMCでは資産購入の減額(テーパリング)を加速させることが決まったほか、2022年内に3回の利上げを行う見通しが示された。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ対応で急速に金融引き締め姿勢に傾くなか、FOMCでどのような議論がなされたのか注視する必要があるだろう。

 また、4日には昨年12月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数や11月の米求人件数(JOLT)、5日には12月のADP社の全米雇用リポートが発表される。本日、中国メディア財新などが発表した12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9と前月比1.0pt上昇した。米国でも企業業績への期待が根強い一方、求人件数などの雇用関連統計には注意が必要かもしれない。10月のJOLT求人件数は過去2番目の高水準だったが、それが供給制約による労働需給ひっ迫を意識させ、インフレ観測を強めた経緯がある。もちろん、7日発表の米12月雇用統計もFOMC議事録と並んで注目度が高い。

 これらの重要イベントを前に、3日の米債券市場では10年物国債利回りが1.63%(+0.12pt)となるなど、幅広い年限で金利が急上昇した。期待先行で始まった日米株式相場もイベントに対する反応が気になるところだ。
(小林大純)