日経平均は大幅続落。526.56円安の26578.70円(出来高概算4億9817万株)で前場の取引を終えている。

 22日の米株式市場でNYダウは981.36ドル安と大幅続落。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が大幅利上げを示唆したことを受けた投資家心理の悪化で、寄り付き後下落。終日、年内の利上げペース加速を警戒した売りが続き、引けにかけて下げ幅を拡大した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は-2.54%と大幅に3日続落。先週末の米株大幅続落劇が投資家心理を悪化させるなか、週明けの日経平均は412.78円安でスタートすると、一時26487.84円(617.42円安)まで下落した。自律反発狙いの買いから下げ渋る場面も見られたが、中国での都市封鎖(ロックダウン)の再強化も嫌気されるなか、時間外取引のNYダウ先物が下げ幅を広げたことも重しとなり、軟調な展開が続いた。

 個別では、ソフトバンクG<9984>、日本電産<6594>が6%超の下落で、ファーストリテ<9983>は4%安。レーザーテック<6920>、キーエンス<6861>、ダイキン<6367>なども大幅安で、値がさのハイテク・グロース(成長)株の下落が目立つ。郵船<9101>やINPEX<1605>、住友鉱<5713>などの市況関連株も総じて軟調。業績予想を下方修正したANA<9202>、仏ルノーによる保有株売却が警戒された日産自<7201>は共に4%近い下落。1-3月期の収益伸び悩みが嫌気されたジャフコG<8595>、業績予想を下方修正した東急建設<1720>は揃って東証プライム値下がり率上位に並んだ。一方、東エレク<8035>が小幅ながら逆行高。日立物流<9086>、SHIFT<3697>も大きく上昇。本決算が好感された東京製鐵<5423>やエレマテック<2715>は値上がり率上位に顔を出した。東京製鐵は自社株買いも発表している。

 セクターでは鉱業、空運、海運などを筆頭にほぼ全面安。一方、水産・農林のみが小幅ながら上昇。東証プライムの値下がり銘柄は全体の87%、対して値上がり銘柄は11%となっている。

 週明けの日経平均はマド空けを伴った下落で大幅続落。25日移動平均線に続き、5日線を下回り、上昇傾向にあった25日線は下向きに転換した。テクニカルの悪化が意識される形で、買いが入りづらい状況だろう。

 先週末の米株市場は終日軟調な展開。国際通貨基金(IMF)主催の討論会で、パウエル議長が利上げに積極的な姿勢を示したことを嫌気した売りが続いた。パウエル氏は「インフレは3月にピークがあった可能性があるが、それは当てにならない」、「適切な場合は政策を厳しくするつもりである」などと発言。米国での3月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)の結果公表後、インフレはピークを打ったとの見方が強まり、市場では一部で、年央からはFRBの引き締め姿勢が緩和されるのではないかといった期待があった。しかし、先週のパウエル氏の発言でこうした見方は修正を迫られる格好となった。

 短期金融市場はすでに5、6月に続いて、7月までの0.5ptの利上げをほぼ織り込み、6月にいたっては0.75ptの利上げまで織り込みつつある。5月FOMCではさすがに0.75ptの利上げの可能性は限りなくゼロに近く、0.5ptの利上げがほぼ確実であり、足元の市場の織り込みペースは急速だ。3月半ばから株式相場がリバウンド基調を強めるなか、特に米国市場を中心に先行きに楽観的な見方が広がっていた背景もあったため、今回の織り込みと、先週末にかけての株式市場の調整をもって楽観の修正もある程度進んだといえる。

 一方、日本国内のオプション市場の動向をみると、先週末にかけては、5月限ではプットとコールともに目立った動きはなかったが、6月限では、権利行使価格26000円のプットの建玉が大きく積み上がる動きが見られた。ゴールデンウイーク(GW)前、連休中のFOMCイベントに備えた下方リスクをヘッジする動きが出てきていると考えられる。

 ここ数週間は先物手口で海外勢の目立った動きが少なく、方向感も定まっていない様子が窺えた。そうした意味では、直近までの海外勢の持ち高は中立水準にあったとみられ、この先、イベントに備えた売り持ち高の積み上がりが強まる可能性がある。今週、プット買いが更に進むようだと、カウンターパートであるディーラーによる先物を使ったヘッジ売りが膨らむ可能性があるため、注意が必要だろう。

 後場の日経平均は軟調もみ合いが継続しそうだ。今週は日米で市場への影響力が大きい主要企業の決算が相次ぐ。これらの結果次第では相場の方向性が決まりかねないため、見極めたいとの思惑から積極的な押し目買いは限られるだろう。
(仲村幸浩)