日経平均は小幅反落。22.73円安の27657.53円(出来高概算4億7287万株)で前場の取引を終えている。

 20日の米株式市場でダウ平均は47.79ドル高(+0.15%)と小幅続伸。先週分の住宅ローン需要が22年ぶりの低水準に落ち込んだほか、6月中古住宅販売件数が2年ぶりの低水準となり、景気減速を警戒した売りから寄り付き後下落。イタリアのドラギ首相率いる政権の崩壊リスクが高まったとの報道も投資家心理を悪化させた。一方で旅行関連株の買いやハイテク株の買い戻し継続が支援要因となり、主要株価指数はプラス圏で終了。ナスダック総合指数は+1.57%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は+2.49%と続伸。一方、前日に700円高と急伸していた日経平均は52.38円安からスタート。一時上昇に転じる場面もあったが、短期的な過熱感を冷ます売りが優勢で、もみ合いが継続。それでも、27500円より上での底堅い動きが続いた。

 個別では、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>が前日の急伸の反動で下落。任天堂<7974>も安い。三井物産<8031>や伊藤忠<8001>の商社や、野村<8604>、SOMPO<8630>の金融、ホンダ<7267>、日産自<7201>の自動車なども軟調。1対3の株式分割を発表した東京海上<8766>も失速して下落。日本製鉄<5401>やJFE<5411>はレーティング格下げで大きく売られた。日本電産<6594>は市場予想並みの決算だったが、前日にかけて上昇していたこともあり利益確定売りが優勢。塩野義製薬<4507>は新型コロナ治療薬の承認が見送られ、継続審議となったことで失望感から急落。ほか、ベイカレント<6532>が大幅に反落。

 一方、川崎汽船<9107>商船三井<9104>など海運が底堅い動き。ダイキン<6367>、ファナック<6954>、TDK<6762>、富士通<6702>などが堅調。メルカリ<4385>、マネーフォワード<3994>、Sansan<4443>などグロース(成長)株が総じて強く、ラクスル<4384>、ギフティ<4449>、メドピア<6095>、サイボウズ<4776>などが東証プライム市場の値上がり率上位に入っている。業績予想を上方修正したフィックスターズ<3687>、インフォマート<2492>は急伸し、値上がり率上位に並んだ。

 セクターでは鉄鋼、証券・商品先物、保険が下落率上位となった一方、パルプ・紙、金属製品、精密機器が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体42%、対して値上がり銘柄は52%となっている。

 日経平均は前日の急伸直後とあって伸び悩んでいるが、安値でも27500円を割らず底堅い動きを見せている。日足チャートでは、200日移動平均線を挟んだ水準で一進一退となっている。戻り待ちの売りが根強い一方、同線突破後の一段高を期待する買いも入っているようで、売り買い拮抗といった様相だ。

 動画配信サービスのネットフリックスに続いて注目されていた電気自動車メーカーのテスラの決算は、調整後の1株利益が予想を上回った。また、上海での生産拡大を明らかにしたことで、同社株価は時間外取引で上昇した。ただ、バリュエーションの割高感が強く、一時大幅に上昇した後は1%高程度に伸び悩んでいる。

 ここまでの米国の主要企業の決算を見る限り、事前の想定よりは良好なものが多い印象だ。来週からはアルファベット、マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドットコムなどのいわゆるGAFAMと呼ばれる大型テック企業の決算が予定されており、これらの結果次第ではムードが様変わりする恐れもあるが、事前の警戒感が高かった分、ネガティブショックの可能性は低くなっていそうだ。

 日本電産の決算も、外部環境の悪化で利益率は悪化したが、ほとんど想定線で、むしろ、E-Axle(イーアスクル)の出荷台数の引き上げなど好材料があったことがポジティブに捉えられる。株価は前日までに上昇していた反動で売り優勢とはなっているが、2%程度の下落で投資家心理を悪化させるほどでもない。

 さて、日経平均はテクニカル面では、下向きの200日線を挟んだ一進一退となっており、このまま下落トレンド脱出の初動を辿るのか、それとも下落トレンドが延長されるのか、短期的な勝負所を迎えているといえる。こうした中、今晩には欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が予定されている。もともと今会合では0.25ptの利上げがコンセンサスとして予想されていたが、今週に入ってから急遽、事情に詳しい関係者からの情報として、0.5ptの利上げ実施の可能性が台頭してきた。仮に0.5ptの利上げが実施されるとなるとタカ派サプライズとなり、足元の株式市場のリバウンドに水を差すことになる。今晩のECB定例理事会は今週最大の注目イベントといってもよく、後場の東京市場は様子見ムードが広がりそうだ。
(仲村幸浩)