日経平均は反発。174.33円高の26111.54円(出来高概算6億7417万株)で前場の取引を終えている。

 前週末9月30日の米株式市場のNYダウは500.10ドル安(-1.71%)と大幅続落。9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)やミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想を下回る低調な結果で景気減速懸念を受けた売りが優勢に。連邦準備制度理事会(FRB)の高官が講演やイベントで時期尚早の利上げ終了を警告したため金利先高観を受けた売りにも押された。ナスダック総合指数も大幅続落、主要株価指数がそろって下落した米株市場を受けて、本日の日経平均は前週末比158.26円安の25778.95円と続落でスタート。その後は、下げ幅を縮小してプラス圏に浮上した。

 個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株の一角が大幅反発、商船三井<9104>や日本郵船<9101>などの海運株も堅調に推移。トヨタ自<7203>、デンソー<6902>なども大幅高、レノバ<9519>やソニーG<6758>、メルカリ<4385>などのグロース株なども上昇した。ほか、想定以上の大幅上方修正を発表したスターティアH<3393>がストップ高、今期は市場想定上回る大幅増益見通しとなった三益半導<8155>が急騰、ローツェ<6323>、三光合成<7888>、新光電気工業<6967>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。

 一方、NTT<9432>やKDDI<9433>などの通信株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などが軟調に推移した。6-8月期増益率鈍化で出尽くし感が先行したスター・マイカ・ホールディングス<2975>が急落、警視庁から法人として書類送検されたカッパ・クリエイト<7421>が大幅に下落した。そのほか、TAKARA & COMPANY<7921>、ベース<4481>、レシップHD<7213>、などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。

 セクターでは海運、鉱業、輸送用機器などが上昇率上位となった一方、電気ガス、小売り、陸運が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の39%、対して値下がり銘柄は57%となっている。

 本日の日経平均は売りが先行、朝方にはマイナス圏での推移が続いた。ただ、前場中ごろにかけて下げ幅を大きく縮小してプラス圏に浮上したあとは堅調な展開となった。米株先物の下げ渋りもあって押し目買いや買い戻しが広がり持ち直したようだ。そのほか、香港株式市場は軟調な展開に、ナスダック100指数もマイナス圏での推移が続いている。

 新興市場でも売り先行でスタート。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落してスタートした後、日経平均株価に連れて下げ幅を縮小する展開となった。長期金利が再度上昇しており、バリュエーション面での割高感が警戒される新興市場のグロース(成長)株にとっては厳しい地合いが続いている。ただ、前週までに大きく下落していた分、本日は押し目買いが優勢となっている。前引け時点で東証マザーズ指数が0.36%高、東証グロース市場Core指数が1.01%高。

 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は9月29日、CNBCのインタビューで利上げにより高インフレを抑制するというFRBの動きを変更するような米金融市場の機能不全は見られないと述べた。他にも、FRBの高官は利上げ姿勢を崩さないタカ派的な発言を継続している。30日に発表された8月の米個人消費支出(PCE)統計では、インフレ指標が市場予想を上回る伸びとなった。PCE総合価格指数は前年同月比6.2%上昇で市場予想の6%上昇を上回り、PCEコア価格指数は前年同月比4.9%上昇で市場予想4.7%上昇を上回った。コア価格指数は前月比、前年比共に7月に比べて伸びが加速した。

 ブルームバーグのエコノミストは「容認できないほど高いインフレ指標を踏まえると、米金融当局は連続利上げを確実に進める可能性が高い。経済を減速させることになってもだ」と指摘しており、30日の米国株もこれを嫌気して下落した。ただ、インフレ調整前の個人所得は前月に続き0.3%増、賃金・給与の伸びは0.3%増に減速しており、賃金上昇ペースの鈍化は明るい兆候となった。

 さて、今週は米雇用統計の発表が控えている。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値によると、9月の雇用者数は前月比で約25万人増、失業率は3.7%で前月と同水準になる可能性があるという。予想通りとなれば、大幅利上げによる雇用市場への影響は今のところ限定的と示唆されることになる。持続的な労働需要は賃金の伸びを高止まりさせて物価上昇に影響をもたらす可能性があるため、今週の米雇用統計の発表には大きな注目が集まろう。

 一方、世界の株式に対するセンチメントが悪化したため、サンフォード・C・バーンスタインが開発した指標が買いのシグナルを発したという。マーク・ダイバー、サラ・マッカーシー両氏らストラテジストはリポートによると、バーンスタインの総合センチメント指標を成す5項目のうち4つは極端に否定的な水準にあるようだ。過去22年の集計によれば、このような買いシグナル後の4週間は70%の確実でリターンがプラスになったという。同氏らは「弱気相場の中の次の反発は大いにあり得る」と指摘している。

 連邦準備制度の大幅利上げを背景に株式市場に極端な弱気の見方が増えるなか、世界各国の経済状況、米中リスクやロシアウクライナの地政学リスクなど、依然として様々なリスクが存在している。前週の当欄で示唆したように、現段階で筆者は引き続きナスダック100指数で9600pt付近、さらには8000pt台まで下落する可能性があることを念頭に置いて相場を注視している。ただ、前述のようにセンチメントの急悪化及び、雇用統計やインフレ指標の推移次第で、年末にかけて一旦の反発が起こる可能性も考えている。さて、後場の日経平均は、押し目買いが継続してプラス圏での堅調な展開が続くか。個人投資家を中心に、主力株につれて値動きの軽い新興株にも物色が向かうか注目しておきたい。