日経平均は反落。196.43円安の32450.03円(出来高概算8億5666万株)で前場の取引を終えている。

 前日9日の米国株式市場のダウ平均は220.33ドル安(-0.65%)と続落、S&P500は35.43ポイント安(-0.81%)、ナスダック総合指数は128.97ポイント安(-0.94%)と反落。30年債入札が不調に終わったほか、パウエル議長がインフレの2%目標達成を依然確信できないと追加利上げも除外しない姿勢を示すと長期金利が急伸、連れて相場も大幅下落となった。ナスダック総合指数は反落、軟調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は前日比155.22円安の32491.24円と反落して取引を開始した。その後はマイナス圏で軟調に推移している。

 個別では、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株が軟調に推移。また、ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>、ルネサス<6723>、神戸製鋼所<5406>、アドバンテ<6857>、任天堂<7974>、ダイキン<6367>、キーエンス<6861>なども下落した。一過性コスト増などで通期予想を下方修正したニコン<7731>や7-9月期大幅赤字決算をマイナス視する動きが先行したソフトバンクG<9984>が急落、ユニプレス<5949>、日揮ホールディングス<1963>、長野計器<7715>が値下がり率上位となった。

 一方、東エレク<8035>などの一部の半導体関連株、川崎船<9107>や郵船<9101>、商船三井<9104>などの海運株が堅調に推移した。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、三菱商事<8058>、三菱重工業<7011>、スクリン<7735>、JT<2914>なども上昇した。ほか、株主還元方針を好感されたトレンド<4704>が急騰、Ubicomホールディングス<3937>、富士製薬工業<4554>、酒井重工業<6358>などが値上がり率上位となった。

 セクターでは、その他製品、精密機器、輸送用機器が下落率上位に並んでいる一方で、海運業、水産・農林業、石油・石炭製品などが上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は38%、対して値下がり銘柄は59%となっている。

 本日の東京株式市場は売りが先行した。米主要株価指数の下落が重しとなったほか、日経平均が昨日大幅高となったこともあり引き続き短期的な過熱感が意識された。また、パウエル議長の発言を受けて金融引き締めの長期化観測が改めて意識されたことや、米長期金利が4.6%台まで再度上昇したことは国内の投資家心理を悪化させ、週末ということもあり売りが出やすかった。そのほか、イスラエルが人道支援を目的に1日4時間程度の戦闘休止を始めると米政府高官が明らかにしたと伝えられ、地政学リスクがやや後退した一方で、香港ハンセン指数や上海総合指数が軟調に推移している。

 さて、後場の日経平均は引き続きマイナス圏で推移するか。前日同様決算関連の物色が中心となりそうで、決算を素直に好感される銘柄や決算への失望感から急落する銘柄どちらも散見されている。他方で、東証が前日に発表した投資主体別売買動向によると、海外投資家は現物株を2週連続で買い越した。ただ、買い越し金額は577億円で前週から買い越し額は縮小している。個人投資家は現物株を3週ぶりに売り越しており、売り越し額は3868億円となった。今後、海外投資家の買い越し額が今後増加するのか注目しておきたい。買い進む材料に乏しい一方で過度に警戒する要因も少なく、米株先物やアジア市況を横目にこう着感の強い値動きが続きそうだ。
(山本泰三)