日経平均は4日続伸。29日の米株式市場はメモリアルデーで休場。英国市場もスプリング・バンク・ホリデーで休場。一方、ドイツDAXは−0.19%、フランスCAC40は−0.20%とそれぞれ軟調。米国市場の休場で手掛かり材料難のなか日経平均は37.3円安からスタート。寄り付き直後は切り返して一時上昇する場面があったが、為替が円高方向へ揺り戻されるなか利益確定売りが優勢となり急失速。前場終盤には31064.19円(169.35円安)まで下げ幅を拡大した。一方、後場に入ると一転して為替が再び急速に円安に傾き、株価も急速に下げ幅を縮小。買い戻しが続き、後場後半には朝方に付けたこの日の高値をわずかに更新し、31374.83円(141.29円高)まで上昇した。市場関係者の間では、欧州勢とみられる海外投資家がヘッジ目的の円売りとともに株価指数先物に買いを入れていたとの指摘が聞かれた。

 大引けの日経平均は前日比94.62円高の31328.16円となった。東証プライム市場の売買高は11億1540万株、売買代金は3兆195億円だった。セクターでは鉄鋼、精密機器、その他製品が上昇率上位に並んだ一方、保険、金属製品、水産・農林が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の31%、対して値下がり銘柄は65%だった。

 個別では、ソシオネクスト<6526>が急伸したほか、アドバンテスト<6857>、スクリン<7735>、マクニカHD<3132>、芝浦メカトロニクス<6590>の半導体関連の上昇が目立った。TDK<6762>、三井ハイテック<6966>、パナソニックHD<6752>の電子部品関連、ファナック<6954>、安川電機<6506>、SMC<6273>のFA(Factory Automation)なども高い。レーティングが引き上げられた神戸製鋼所<5406>、日本電子<6951>、証券会社が目標株価を引き上げたA&Dホロン<7745>、日総工産<6569>、日東紡績<3110>などは大幅に上昇。熊谷組<1861>は大株主にアクティビストファンドが浮上したことが材料視された。

 一方、前日に急伸したソフトバンクG<9984>は反落、ただ前場の大幅安からは急速に下げ幅を縮めた。レーザーテック<6920>、ルネサス<6723>、東エレク<8035>など半導体株の一角が冴えなかった。NTT<9432>、ソフトバンク<9434>、日本郵政<6178>、花王<4452>、7&I-HD<3382>、ヤクルト本社<2267>、アステラス製薬<4503>などのディフェンシブ系は軟調。SOMPO<8630>、第一生命HD<8750>、東京海上HD<8766>の保険の下落が目立った。また、共立メンテナンス<9616>、パンパシHD<7532>、OLC<4661>、JR東日本<9020>、Jフロント<3086>、エアトリ<6191>などインバウンド関連の一角でも売りが目立った。レーティングが引き下げられたSUMCO<3436>は大きく下落した。タマホーム<1419>は配当落ちに伴う処分売りが膨らんだ。